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本誌編集部/斉藤貴伸
掲載号: 2012年5月1日号
ルアーが好調の理由をエサ釣りに応用する視点が大切
「さあ、今年も銭洲一番乗りです。反応はバリバリ。な、なんとムロアジの反応です。ムロサビキを用意しておいてください」
釣り人8名を乗せたとび島丸11号船が2日の午前6時半前に銭洲に着いたときの、鈴木忠文船長の第一声がこれだった。
水温は17度台。やや低いものの、14度という年もあったので、極端に低いわけではない。それにしてもムロの反応が多いとは。これは過去にあまり例がない。
まずはミヨシに全員が集まり、シーズン中の安全と好釣果を祈願する解禁の儀式が執り行われた。全員で海にお神酒を捧げる。
ルアーの人はメタルジグ、エサ釣りの人は中ムロ用のサビキ仕掛けを用意して開始の時間を待つ。7時の開始時間と同時に投入の合図が出る。
仕掛けが水深15メートルまで下りたとき、竿先がカタカタ震えたことからそこでストップ。途端にバリバリとムロアジのアタリが出る。上げてみると30センチ前後と、泳がせのエサにするには微妙なサイズのムロが2尾、3尾と上がってきた。
3〜4投でツ抜けるほどの釣れっぷりは、解禁日としては経験がない。盛期ならば間違いなくハリス40号の泳がせ仕掛けをすぐに下ろすところだが、躊ちゅうちょ躇してしまった。
10キロ前後、あるいはそれ以上のカンパチならば、このムロは絶好のエサになるが、解禁直後は毎年2〜4キロクラスが多いので、やや大きすぎる。そう感じたため、とりあえず胴長20センチの冷凍ヤリイカエサで狙ってみることにした。
船中初ヒットは、例年どおりルアーの方に。左舷ミヨシの天野さんが160グラムのメタルジグ(剱160メタリックグリーン)で3キロ級のヒレナガカンパチをヒットさせる。次いで隣のスタッフの飯田健斗君、右舷ミヨシの吉浦さんがそれぞれ同級を取り込む。
エサ釣り組はというと、釣ったばかりのムロアジを泳がせた人の竿は、ムロアジが激しく暴れる様子が現れ、いかにもヒットしそうな感じがするが、食い込みには至っていない。
私のイカエサは、2月に南房で釣ったヤリイカをその日のうちに冷凍したもので、冷凍イカとしての状態はいいと思えたのだが、昨年同様ノーヒットに終わる。過去には3年連続でカンパチをヒットさせていただけに、残念だった。
船長は、島周りと呼ばれる群礁周りのポイントを転々と移動しながら合図を出す。テンポは早いが、必ず魚種ごとにどこを狙うべきかを指示してくれるのでありがたい。
8時ごろから、五目釣りにチェンジする人が増えてきた。ここで目立ったのがメジナだ。その昔はメジナの宝庫と言われた銭洲だが、この数年はめっきり数が減っていた。それが、この日の釣れ方を見る限りかなり増えてきているように思えた。
右舷胴の間に座る私のミヨシ側には、昨年48キロオーバーとモンスターサイズのカンパチを釣り上げた松井さんが竿を出していたが、ムロアジの泳がせに早めに見切りを付け、五目仕掛けで2〜3キロのメジナを4尾釣り上げていた。
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