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フィッシングライター/朝倉 真
掲載号: 2012年3月1日号
常連さんの釣り方は !?
前半は渋くて心配しましたが、後半巻き返しました!
絶好調のアジを釣ろうと相模湾小坪港を訪れたのは1月31日。お世話になる洋征丸はビシアジを看板釣り物とする相模湾屈指の人気船宿で、当日も13名が集まった。
目下は城ケ島沖の90〜100メートルダチを狙っており、30センチ前後の良型を主体に連日トップが50〜60尾台をキープしている。さらに状況によってはマダイなども期待できるのだそう。
本命の好調ぶりと豪華なゲスト。それが人気の秘密なのかもしれない。
高木洋征船長の操船で小坪港を出たのは7時。およそ40分のクルージングで城ケ島沖に到着した。「水深は97メートルです!」
そんな合図で釣りが始まった。船長は続けて、「ビシが底に着いたら糸フケを取り、底から3メートル上と4メートル上でコマセを振り、5メートル上でアタリを待ってください!」と指示を出した。
まずは左ミヨシの常連氏に30センチ級のダブル。幸先よしと思ったが、その後は釣りに慣れている常連さんにだけ釣れ、そうでない方は苦戦を強いられる展開となった。
最初の1時間が終わった時点で常連氏は8尾前後。釣れない方はそれなりといった感じである。
この差がどうして生まれるのかを船長に尋ねてみたところ、タナ取りとコマセワークをアナウンスどおりに行うことが大切とのアドバイスをいただいた。
それとアタリが少ないからといって置き竿にするのではなく、竿はなるべく手に持ち、まめにコマセを詰め直して再投入している人ほど釣果はよいと付け加えていた。
やがて船長が釣れていない数名にアドバイスをすると、全員見違えるようなペースでアジを釣り上げ始めた。
このまま活発な食いが続くかと思いきや、しばらくするとまさかの食い渋りタイムに突入。船長は、「仕掛けを入れてもアジの移動は止まらず、反応は船下から消えてしまうんだよね」と渋い顔をしている。
続いてやってきたのは90メートルダチの魚礁周り。
相変わらずポツポツと釣れる状態は続いていたが右胴の間の常連氏だけは多点掛けを連発し、数をのばしていた。
常連氏の釣り方をしばらく見させていただいたところ、最初のアタリが出たあと5〜8メートルぐらい上までゆっくりとリールのハンドルを回しながら聞き上げて、アジの追い食いをうながしていた。その穂先を見ていると、ググッと重量感が増していくのが分かる。
見ている私も、思わず「バレるなよ〜!」と声を出てしまうようなシチュエーションである。
十分な重量感が伝わったところで電動リールの巻き上げスイッチを入れると、海面には狙いどおりに3尾のアジが浮上。パーフェクト達成だ。「さすがですね!」と常連氏に声をかけたところ、「普段はもっとアタリが多くて、簡単に数をのばせるんだけどなあ」とのこと。
Page1 常連さんの釣り方は !?
Page2 後半は入れ食いモードに!
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