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本誌APC(東京)/ 椎名義徳
掲載号: 2012年3月1日号
40センチ級のマコが浮上!
常磐の春はカレイで始まる!
常磐地区のカレイ乗合が始まったと聞くと、春は近いなあと感じる。
釣れ始めるならそろそろかと思っていた1月中旬、本誌編集部から茨城県大洗港の昭栄丸がカレイ乗合をスタートさせますよ!
との情報が入った。
まだどの船宿も出船していないので釣況は不明だが、毎年開幕当初は40センチを超える大判が釣れる確率が高い。
カレイファンの一人として、これは行かねばなるまいと昭栄丸に向かったのは1月29日。船着き場はすでに大勢の釣り人で賑わっていた。
昭栄丸では船を2隻所有しており、当日はメバル五目船とカレイ船が出るらしい。
受付が始まるとメバル狙いの釣り人は大型船、カレイ狙いの釣り人は中型船へと分乗した。
大半の釣り人は目下絶好調のメバル狙い。この日が初出船となるカレイ船はまだ釣果が出ていないということもあってか、釣り人は4名のグループと私の計5名のみだった。
出船は5時半。大洗港の大堤防を通り過ぎたあと、東へ向かい船は進んでいった。
釣り場に着くまでの間、例年に比べ半月ほど早くカレイ乗合をスタートさせた理由を船長に尋ねてみたところ、
「先日メバルのエサのエビを取るために網をひいたところ、たくさんのマコガレイが入ったんですよ。これは相当カレイが集まってきているなと思いましてね」と船長はニッコリ。
およそ30分後に釣り場に到着。スパンカーが張られ、
「準備ができた人から始めていいですよ」とのアナウンスで釣りが始まった。
私はエッグボールや蛍光ビーズなどでデコレーションされた東北カレイ仕様の3本バリ仕掛けにアオイソメを房掛けにして、海底へと仕掛けを沈める。
道糸が35メートルほど出たところで着底。糸フケを取ったあとはオモリが底から5〜10センチ幅で上下するイメージで海底を小づいた。
小づきを10〜20回ほど行ったあと、ゆっくりと聞き上げてみる。もしカレイがエサに食い付いていれば、聞き上げのときにプルプルと小さなアタリが出るのだが……。
開始からおよそ2時間。最初に竿を曲げたのは左トモのクマモトさん。船長が差し出すタモに収まったのは40センチを超える大判サイズのマコガレイだった。
カレイはピンポイントに集まる習性があるので、だれかがヒットさせたときはチャンスである。写真を撮り終え、すぐさま自席へ戻って小づきを再開。ゆっくり聞き上げてみたところ、プルプルと伝わるカレイ独特のアタリが出た。
そのまま竿を立てていくとググンと重みが伝わった。手応えから判断するに、それなりの良型のようだ。
ところが海底から4〜5メートルほど巻き上げたところでフッと竿からテンションが消えてしまった。スッポ抜けである。
しかしここでうなだれていてもしょうがない。食欲旺盛なカレイだけに、再びアタックしてくる可能性はある。
すぐにクラッチを切って仕掛けを落とし込み、再び小づきを入れてみた。
すると私の狙いどおりにアタリが到来。今度はしっかりハリ掛かりし、巻き上げ中もグイングインと全身をあおるような抵抗に、思わず前のめりになってしまった。
重量感たっぷりの引きを堪能して取り込んだのは40センチオーバーのマコガレイ。食いが渋い中で、ようやく手にした1枚だけに、うれしさもひとしおである。
Page1 40センチ級のマコが浮上!
Page2 ハタノさん思い出の1枚
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