Check
本誌編集部◉村上 敬洋
掲載号: 2012年2月15日号
着底が分かりやすい
こんなキンメのズラズラを狙えることが南伊豆の魅力
1月13日。寒風吹きすさぶ早朝の下田須崎港で、私はカチカチに凍ったサンマの切り身と格闘していた。
船に乗る前までに仕掛けにエサを付けておくのが深場釣りの基本。それなのに忙しさにかまけてエサ付けを先のばしにしてしまい、出船直前に付けるハメになってしまったのである。
「ボクも手伝いましょうか!」声をかけてくれたのは今回同行していただいたフィッシングライターの角野匡是(すみのまさゆき)さん。2人で作業をした結果、なんとか4組の仕掛けにエサを付けることができたが、残り4組にはまだエサが付いていない。
さあて、どうしたものかと思っていたところで土屋佑二郎船長と仲乗りのトンチこと田中敏夫さんがやってきた。
「エサが4組付いてたら十分だよ。このあと西風が強くなる予報だから、たぶん8回は流せない。すぐに出よう!」
船長にうながされて船に乗り込み、角野さん、私、トンチさん、船長の順で右舷に道具をセットした。
須崎港を離れたのは6時過ぎ。およそ30分ほどで石廊合わせと呼ばれる釣り場に到着した。当地のキンメ釣りでは朝一番に狙う定番の釣り場で、水深は230〜240メートルと浅いそうだ。
周囲はまだ真っ暗だったが、キンメを狙う船が10隻ほど浮いていた。
「ハイいいよ〜入れて〜!」
船長の合図でミヨシの角野さんが鉄筋を投げ入れた。次は私の番。緊張しながら治具を海面に向け、鉄筋を落とすと15本のハリが勢いよく海へ沈んでいった。投入のときにエサが何個か外れたのが気になるけれど、まあ、どうにかなるさと自分に言い聞かせる。
「あんまり糸をフカセすぎちゃダメだよ。サミングしてね!」
そんな声でスプールに手を当てていると、ドスンという大きな手応えが伝わった。
前回の沖ノ瀬のキンメ釣りではオモリの着底が分からなくて苦戦したが、今回はとても分かりやすかった。
Page1 着底が分かりやすい
Page2 いきなり釣れたがそのあとは…?
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。