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本誌編集部/ 加藤智晴
掲載号: 2012年2月1日号
幸先よく2枚を手中にしたが…
自分が初釣りの取材に行くようになったのは平成9年から。以来15年間、毎年どこかの港へ出向いていたわけだが、正月に剣崎松輪を訪れるのは16年目となる今回が初めてだったりする。
1月2日、初出船の日の雰囲気は港により、船宿により様ざまだが、剣崎松輪の港は普段と変わらず、駐車場は多くの車でにぎわっていた。そして伝五郎丸の鈴木長喜船長も、いつもと同じ穏和な笑顔で迎えてくれた。
正月らしい華やかな雰囲気の初釣りもいいが、今年に限っては「普段と同じ」出船前の雰囲気にちょっと安堵する。
午前7時、11名で出船。マダイ狙いの船は港口で3方向へ散っていったが、伝五郎丸は真っすぐ南へ南下。ほどなく50メートルダチのポイントで投入合図が出された。
指示ダナはハリス分プラス2〜3メートルとのこと。若干高めなのかと思いつつ、吉例!? にのっとってハリス3号8メートルの仕掛けを左舷胴の間から投入。底ダチ後、すぐに5メートル巻き上げた位置から2メートルずつコマセをまきながら底上11メートルにタナを取る。
置き竿にして1分足らず、おそらくハリスがなじんで付けエサが落ち着いたころだったのだろう、キュキュンと竿先が入った。コマセダイで一番気持ちのいいパターンである。
手応えは弱く大きくはなさそうだったが、時折キュンと竿先を持ち込む引きは、間違いなくマダイ。500グラムほどの小型を抜き上げる。
幸先よく新年第1号を手にしてこれはイケる!
と思ったのだが、どういうわけか船内ほかの人にはアタリがない様子。おかしいなあと再度仕掛けを投入、先ほどと同じようにタナを取ると、やはり置き竿にして1分ほどで竿先がキュッと入る。
偶然なのか必然なのか、まさか自分の下にだけマダイがいたわけでもあるまい。とにかくうれしい反面、困ったなと。これでは仕事をしに来たのか遊びに来たのか分からない。
というわけで、それからは仕掛けを上げてしばし船内の様子をうかがうと、ほどなく右舷ミヨシの人にアタリ。
「初物なので慎重にやります」とのことだったが、海面まであとわずかというところで無念のバラシ。その直後に左舷ミヨシ2番の人にもアタリがあったものの、こちらはハリス切れに終わる。
続いて40メートルダチに移動。この場所は大アジも交じるとのことだったが、エサ取りばかりでアジすら釣れず、結局開始から2時間たっても船内マダイは自分が釣り上げた2枚だけ。う〜む、これはいかんぞ……。
Page1 幸先よく2枚を手中にしたが…
Page2 2度の時合でなんとか形に
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