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本誌APC(東京)/ 椎名義徳
掲載号: 2011年11月1日号
釣れるけど、小さいぞ !?
いよいよ白子のシーズンです
朝夕の通勤時に寒さを感じるこの季節。わがオフィスでも温かい鍋料理が話題に上ることも多くなってきた。そんな折、目に止まったのは茨城県平潟港、第15隆栄丸のホームページに書かれた一言。
「白子入りの好シーズン」
こりゃあ行くしかない!
父とともに第15隆栄丸を訪れたのは10月1日。週末の土曜日だというのに乗船者は我われのほか2名のみらしい。原発事故による風評被害を受け続けている事実を目の当たりにし返す言葉が見つからなかったが、鈴木和次船長は、
「平潟沖のマダラ釣りが健在であることをみんなに知ってもらうには、とにかく一日でも多く出船して、釣果情報を発信しないとよぉ!」と明るく笑顔で迎えてくれた。
そんな言葉に私もメラメラとヤル気がみなぎってきた。
「ヨシ! 今日はデカイの一発浮かせてやるぞ〜!」
おかみさんから予約時に注文しておいた冷凍サンマを受け取り乗船。私と父を含め釣り人が4名ということで全員が右舷に並ぶことになり、お客さんがミヨシと大ドモ。私は父とともに胴の間2番、3番で竿を出すことにした。
出船は4時半。省エネ運転で2時間走って平潟沖の210メートルダチに到着。まずは冷凍サンマを三枚におろし、半身を斜めにカットする。船ベリのマグネットに並べた胴つき5本バリ仕掛けにそれぞれサンマの切り身を付けて準備は完了となる。
当地のマダラ釣り場は浅くとも水深160メートルくらいだというが、それでもオマツリを軽減させるために投入はブザーを合図にトモから順番に行う。
3回目のブザーとともに私は300号のオモリをポイッと投げ入れた。
オモリが着底したところで糸フケを巻き取り、底から1メートルほどオモリを上げた位置でアタリを待つ。
1流し目は船中アタリなしで終わったが、潮回りして迎えた2流し目に大ドモ氏が電動リールの巻き上げスイッチを入れた。
釣れ上がったのは2キロ級と小ぶりながらも本命マダラ。うれしいファーストフィッシュである。
少し移動しての3流し目では大ドモ氏が2本掛け、ミヨシ氏も3キロ級を釣り上げて片目が開き、次の流しでは父も本命をゲット。
「型が細かいからちょっと深いとこやってみっぺ!」というアナウンスの後で向かったのは沖合の300メートルダチ。
ところが当日は潮が流れておらず、不発に終わる。続いてマル秘の沈船ポイントも探ってみたが残念ながらアタリなし。
ここまでの私の釣果は小さなメヌケ1尾のみ。これはヤバイかも!?
「深場は魚が回ってないみたいだなあ。浅場に戻ろう!」と次に向かったのは230メートルダチ。
ここで私は釣り方を変更してみた。潮がほとんど流れていないのでオモリを底に着けたままにし、ウネリに上下する船の動きで仕掛けが張ったりたるんだりする状態でアタリを待ってみた。
するとグ、ググッ!
狙いは的中。マダラならではの力強いアタリに愛竿がたたかれた。
潮が流れていないときは追い食いの確率も低いだろう、ここは1本ずつていねいに……と思って巻き上げスイッチをオン。掛かっていたのは3キロに欠けるサイズだったが、オデコを脱出してひと安心。ああ、釣れてよかった。
ちなみにこの釣り方で狙う場合も時どき底からオモリを浮かせて仕掛けを移動させることが大事。
潮が流れていないといってもそれなりに船は流れているので、オモリを1点に止めたままでは根掛かり必至。オマツリの原因になることもあるのだ。
その後も流し直すたびに船中だれかしらの竿がたたかれ、2〜4キロサイズのマダラが浮上。私も2本追釣したのだが、いずれも型は3キロサイズだった。
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