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フィッシングライター/山口 充
掲載号: 2011年9月15日号
開幕直後と変わらぬ絶好調
昨年までに比べ、部分解禁がひと月早まった九十九里片貝沖のヒラメ。解禁日の好調ぶりは前号でお伝えしたとおりだが、当地の情報によるとその後も好調を持続しているらしい。
そこで私は8月18日に再び片貝新港を訪れた。お世話になったのは九十九里片貝新港の吉栄丸。川口吉男船長はヒラメ釣りに情熱を注いでいることで知られ、いつも、
「船中全員にヒラメを釣らせたい」と思いながら操船しているという。
4時半にエサのマイワシを積み込み、8名のお客さんを乗せて片貝沖へ出船となる。
航程およそ40分でポイントに到着し、仲乗りのおかちゃんこと岡田さんから各自にマイワシが配られた。全長15センチほどのいわゆる中羽で、ヒラメのエサとして使いやすい大きさだ。
美しい朝焼けを眺めているとスタートの合図が出た。水深は28メートル。魚礁周りのポイントなので根掛かりに注意したほうがいいようだ。
オモリが着底したあと、50センチほど上げた状態でアタリを待つ。海底に起伏があるせいか、時どきオモリが底を打った。
しばらくすると左大ドモに座っていた田川さんにヒット。小型ながら肉厚のヒラメである。続けざまに左舷で1キロ級が数枚上がった。
朝イチの流しでは左舷にアタリが集中し、前出の田川さんは早ばやと2枚目をゲット。ふと左ミヨシを見ると常連の根岸さんがファイトしている!
「これは……青いヤツかな」とつぶやきながら上げてきたのはイナダ。その隣に座る方南さんに掛かった魚もイナダかと思ったが、仲乗りの岡田さんは、
「これはヒラメだよ」とニンマリ。上がってきたのは2キロオーバーの良型。なんともウマそうなヒラメである。そういえば前回釣ったヒラメも最高にうまかったなあ。
開始から音沙汰なしだった右舷もポツポツとヒットし始めた。まずはミヨシに座る林さん。慎重なヤリトリの末にネットに収まったのは2キロクラス。このあと林さんはもう1枚ヒラメを釣り上げて周囲を驚かせた。
「仕事とはいえ、釣りたいよねえ……」
そんな言葉が林さんからかかった。そういえば船長も風がいつ吹き出すか分からない。もしかしたら早揚がりになるかもと言っていた。心なしかウネリは大きくなっているようだ。
早くヒラメを釣らなきゃ……少し焦りを感じながら、私と石井さんは釣り座に戻って仕掛けを下ろす。
釣りを再開して数分。私にアタリが訪れて、ヒラメをハリ掛かりさせることができた。ところが運悪く私と同じタイミングで左舷でもヒラメが掛かったようで、私のヒラメはタモ取りが間に合わず、残念ながらバラしてしまった。
反対舷でヒラメを釣ったのは山本さんで、2キロクラスの良型。
やや複雑な心境になりつつも、直後にアタリが到来した。小型ながら1枚目のヒラメを手にすることができてホッとする。
[吉栄丸]川口吉男船長
Page1 開幕直後と変わらぬ絶好調
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