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本誌編集部◉内山 高典
掲載号: 2011年4月15日号
電車釣行は楽ちんだ!
バラエティに富む東京湾の釣り物の中で、私が好きなターゲットを3つあげるとすればメバルはその筆頭格に上がる。
細身のメバル竿をキュキューンと曲げる、あの鋭い突っ込みがたまらないのだ。
ナギの予報が出た三連休中日の3月20日、湾奥羽田のかみやを訪れた。
震災の影響でガソリン不足の折、エコな電車釣行にしようと路線経路をネットで検索。すると6時過ぎの電車に乗れば、JR蒲田駅7時発のかみやの送迎バスに間に合うことが分かった。
メバル船の出船時刻は7時半。渋滞とは無縁で時間が読めるからこそのギリギリ設定は、出船1時間前には港に着いていないと落ち着かないマイカー釣行とは異次元の世界。
前夜の睡眠時間はたっぷり、船上でビールをグビリ、往復の電車で居眠りもできる。電車釣行とはかくも甘美なものなのか。
7時前の蒲田駅、竿を携えクーラーボックスなどを満載したカートを引いている人の姿がチラホラ。
かみやの送迎バスに一緒に乗り込んだお客さんは竿と仕掛けバッグだけの軽装だったが、カッパや長靴のたぐいは船宿に預けてあったようで、船に乗り込むとパパッと身支度を整え船長と釣り談義。船宿から常連さんと認められた人のみぞ知る粋、ちょっとカッコイイ。
7名が集まり神谷淳一船長の舵で7時半に河岸払い。多摩川をゆっくり下り、ジャンボジェット機が頭上を飛び交う河口を抜けると船足が速まった。
ほどなく大師沖の釣り場に到着、建造物周りで合図が出る。水深は23メートル前後。人数が少ないこともあってお客さんは全員左舷に並んでいる。
メバルは建造物や護岸の周りに着く魚。時には護岸際めがけて仕掛けをチョイ投げするとアタリが多くなることもあるため、片舷で狙ったほうが効率よく探れるためだ。
「ここは大きいのが出るよ」と神谷船長がお客さんに声をかけ、小刻みなクラッチ操作でポイント上に船を止めるように操船する。
船中でアタリはなかったが、少しずつ船の位置を変えながら粘っていると、大ドモで待望のアタリが出た。上がってきたのは大きなメバル、メジャーをあてると27センチジャスト。
この1尾を皮切りに、それまでの沈黙が嘘のようにお客さんたちの竿が次つぎに曲がる。
上がってくるメバルは大小交じったが、25センチ級の良型が数尾取り込まれ、船長の狙いは的中したようだ。
Page1 電車釣行は楽ちんだ!
Page2 メバル、カサゴのち時どきアジやサバ
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