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本誌APC(東京)◎釜井 昌二
掲載号: 2010年2月15日号
仕掛け対抗戦の 絶好のチャンス
同行のオニカサゴのベテラン釣り師、通称カンコさん。さすがに釣ります
派手仕掛けにアタリ到来。揺らいでいく信念、というかこだわりというか思い込み?
「そうだなぁ。エサでアピールすればいいと思っているから、余計なアピールグッズはあんまり付けないなぁ」
オニカサゴの仕掛けについて問われると、私は十中八九、偉そうにこう返事をしてきた。
能書きを並べるからには、実績はある。だけど、どうして……原稿を書いている今、私の心は揺らいでいるのだ。
1月16日。向かったのは小田原早川港の坂口丸。訪れたのは久し振りのことであったが、これまで何度もいい思いをしてきた験がよい船宿である。
6時半に出船。船は8人の釣り人を乗せて、航程20分少々の真鶴沖でスローダウンした。
坂口丸が狙うオニカサゴ釣り場は東は二宮沖と瀬ノ海、南は港前から伊豆半島の付け根に沿って真鶴沖までの至近エリア。加えて、初島まで足をのばすこともあるという。
この日、私の隣で竿を出してくれるという仲乗りさんは、実にシンプルな仕掛けを準備していた。装飾品はハリスに付けた蛍光ビーズのみ。ハリには船宿用意のきれいにカットされた塩サバだけを付けている。これはアピールグッズの真価を問う打って付けのチャンスなのではないだろうか!?
ならばと私は、荷物の中から持っている限りのアピールグッズを取り出した。オモリの横に水中ランプ。すべてのハリスに大きめの蛍光ビーズを1〜2個。3本のハリにはタコベイトを装着。そして、エサは船宿用意よりも大きくカットして持参した塩サバ、ソウダ、サーモンの皮を使用。
ピカピカ、ジャラジャラ、デンデン。ちょっと見、安っぽい宝石と厚化粧を身にまとったインチキマダムだ。
これで仲乗りさんよりも釣れればアピールグッズは効果ありと、多少は評価できるはずだ。今日の仕掛けはこれに決定。頼んだぞ、インチキマダム!
水深113メートルからスタートした1投目は船中音沙汰なし。やや深めに移った水深150メートルの2投目。着底するやいなや、インチキマダムはサメの襲撃を受ける。目立ち過ぎなのか?
私がマダムの修復をしていると、左舷ミヨシの小松さんにヒット。30センチ級の小型ながらまずは船中第1号が上がった。
この流しでは1.5キロのマハタや珍魚ミシマオコゼ、カナガシラも取り込まれ、本命ならずとも魚が口を使ってきた。ちなみに当日は良型のウスメバルやカンコ、アヤメカサゴなども釣れてクーラーに華を添えてくれた。
Page1 仕掛け対抗戦の 絶好のチャンス
Page2 インチキ仕掛けにぞっこん。だって釣れちゃうだもん
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。