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本誌APC(東京)◎鈴木良和
掲載号: 2009年11月15日号
初心者に至福の時
いよいよ本格シーズン突入です。 さあ、楽しみましょう!
合わせ時が分からないときは「センチョ~!」と叫ぶべし
マダイと並んで高級魚として知られているヒラメ。上品な白身はこれから寒が進むにつれてほんのりと脂が乗り甘みも増してくるといわれる。
また、ヒラメは釣り味も格別。アタリがきてから合わせの瞬間を待つ間のドキドキ感、合わせが決まった瞬間の快感は一度経験したらもう病み付きだ。
そんなヒラメを求めて10月から解禁になった大原の春栄丸に仲間3人と向かったのは10月12日。
ちなみに、釣友の吉長くんはヒラメ釣りが今回初挑戦。その彼が私に尋ねてきたのが、ヒラメ未経験者ならだれでも感じている「ヒラメ釣りって難しいんでしょ?」という疑問。エサに生きイワシを使う点、合わせのタイミング、バラシが多い点などから難しいというイメージがあるが、それほど難易度の高い釣りではない。
その証拠にビギナーさんが竿頭になるケースもめずらしくない。もちろん最低限の知識は必要ではあるが……。
今回は3連休と、このところの好釣果が相まって22名が集まり4時40分に出港。
現在ポイントになっているのは太東沖だが、このフィールドは比較的平坦な海底となっており、根掛かりが少ないことで知られている。
したがって船長は、孫バリにハリ掛かりのよいトレブルフックをすすめている。
潮回りがすんで船長から投入合図。横流しで攻めるためにオモリは80号を使用している。潮が速いときは100〜120号を用いる場合もあるので、忘れずに持参しよう。
23メートルで着底。
「底ダチを取ったらリールをひと巻きして待ってください。アタリがあったら呼んでくださいね」と船長。ヒラメ釣りで早合わせは厳禁。とくに初心者は合わせ時が分からずに反射的に合わせてしまうことがある。合わせの頃合いがもし、分からなければ、仲乗りさんが教えてくれるので遠慮なく呼んでくださいという意味だ。
期待した初めの流しは船中ノーヒットに終わる。それにしても予想以上に船が左右に揺られるのは、潮の流れと風がぶつかり合っているからだろう。と、なると船はあまり移動しないので好ましい状況ではないが……。
ほどなくして竿をしならせたのは私の隣の席にいた佐藤さんだった。
「竿を立ててゆっくりやりなせいよぉ」と船長がマイクでアドバイス。確かにポンピングはヒラメ釣りでは禁じ手、バラしやすいのである。
無事にネットインしたのは1.2キロの食べごろサイズ。
「こっちでも食ったよぉ」と反対側でも声が上がったので駆けつけると、ファイトをしていたのはなんと釣友の木村くん。こちらも同級を取り込む。その横で「いいなぁ〜」とうらやましがっていた吉長くんにもすぐに至福の時が訪れることになる。
グーンと引き込む本アタリに合わせを入れて800グラムを釣り上げたのだ。
「初めてのヒラメの釣り味はどう?」と私が聞くと「最高です」と少々興奮気味に話す吉長くんであった。
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