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フィッシングライター/竹川啓二
掲載号: 2010年10月1日号
群れはドコ行った?
取材日は炎天下の釣りを強いられたが、今はいくらか涼しくなっている……はず!
東京湾奥のライトアジが依然好調をキープしている。
従来に比べ3分の1ぐらいの重さ(40号)のコマセカゴで水深10〜20メートル前後を狙うこの釣りは、女性や子供でも手軽に楽しめるとあって近年人気が上昇している釣り。
アジのサイズは18〜25センチ前後が平均ながら、お腹の中はラードのような脂でこってり。
料理をしている段階で「こりゃ絶対うまい!」と言いたくなるほど。実際食べるとその想像以上のおいしさが口いっぱいに広がり、まさに口福を実感するのである。
8月28日に出かけたのは東京湾奥浦安の岩田屋。アットホームな雰囲気で、常連さんはもちろん初心者にも好評。私の常宿の1つでもある。
出船1時間前に到着したのだが、すでに知った顔がチラホラ。埼玉から毎週やって来る江藤さんは早起きしていつも一番乗り。そして日焼けした腕や顔はすでにベテランの風貌を醸し出しているメグミさん。毎週通っているだけに釣りの腕もメキメキと上達中(すでに私を超えているかも……)の沖女である。
その後も常連さんや初心者などが猛暑予報をものともせず15名も集まり、定刻の午前7時に河岸払いとなった。
最初に目指すはこのところ安定した釣果が続く木更津沖。すでに先着の船が何隻かいたが、群れが見つからないのか右往左往している。
私たちの船も同様で、アジの反応を探し当てるのに15分ぐらい費やして第1投となった。水深は18メートル前後。
コマセを振って船下に群れを止めるのはビシアジの基本。全員参加の共同作業だ。
ところがひと振り、ふた振り、三振り……と振ってはみたものの、だれの竿にもアタリはない。野球で言えばすでに三振であるし、なぜかカモメも海に浮かんでまったりとしている。まさか、
「今日はアジの休息日?」と不安になったところで、本日沖釣りデビューとなったメグミさんの友人.シゲミさんに船中第1号となるアジがヒットした。
15センチ級ながら正真正銘のアジ。これを合図に船中でポツポツと釣れ始めたが、それも数尾で終了。
ここで粘っても得策ではないと判断した岩田一人船長は移動をマイクで知らせる。
1回目の移動は中ノ瀬へ。水深は先ほどと同じくらい。
すぐにトモに陣取る江藤さんが25センチ級の幅広アジをゲット!
そして、
「入れ食いだよ」と豪語するではないか。
ところが入れ食いは入れ食いでもサバの猛攻。あっちもこっちも竿がガンガンにのされてオマツリが続出。
人によっては「サバかぁ」とうんざりするかもしれないが、引きの強さはビギナーを夢中にさせるには十分。
事実、初心者のカップルはサバの強引きに2人して魅了されていたみたいだし、前出のシゲミさんも40センチ級のサバを1尾釣っただけで放心状態。しばしの休息宣言をするほどだ。
ここで沖女の2人を、
「大サバの耳はロバの耳!」と大人のジョークで元気づけるとメグミさんが25センチ級の本命をゲットした!
すかさず
「不思議な国のアジッス!」とオヤジギャグを連発するところはさすが私である。
Page1 群れはドコ行った?
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