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フィッシングライター◎竹川啓二
掲載号: 2009年7月1日号
ズラズラ連発の予定が…
サビキ仕掛けを入れるだけでアジがズラズラ。爽快な釣りですよ!
硬めの竿しか持っていないのなら、道糸と仕掛けの間にクッションゴムを入れるとバラシを減らすことができる
九十九里飯岡沖や銚子沖の入梅期の風物詩とも言えるのが追っかけアジ。魚探に映るアジの反応を見ながら、群れを追いかけて狙うのがこの名の由来。
魅力はなんと言っても釣り方が簡単で、たくさん釣れること。船長の合図が出たら仕掛けをタナに落とすだけ。コマセを使わないサビキ釣りだから衣服も汚れないし、投入ごとにズラズラと連なり釣れ上がるから、お土産の心配もない。たとえ初心者でも、クーラー満タンの釣果が狙えるはずだ。
5月30日に出かけたのは九十九里飯岡港の長五郎丸。
気さくな教子おかみとアットホームな雰囲気で人気の船宿だが、当日は予報が悪くキャンセル続出。結局集まったのは私も含め計4人という少々寂しい状況。
当初は追っかけアジとエビハナダイリレー、追っかけアジとシロギスリレーの2隻を予定していたが、たった4人で2隻出しは船宿にとって気の毒。鳩首会議を開き、追っかけアジとエビハナダイのリレーで出船することになった。
港を出たのは定刻5時。舵を握るのは菅原靖人船長。最初の釣り物は追っかけアジで、釣り場までの航程は30〜40分。
先述したように追っかけアジはあまりにも簡単に釣れてしまうため、通常朝の2〜3時間のみ行うことが多い。時間が短いと思うかもしれないが、これでも頭が束を超える十分な釣果を得られるのだ。
ある程度お土産を確保したところで次の釣り物に移行するが、当日のようにエビハナダイとのリレーになることもあれば、シーズン真っ盛りのシロギスがリレーの対象となることもある。いずれにせよ1粒で2度おいしい……とはまさにこのこと。私のような欲深い人間にとって、非常に魅力的なリレー釣りなのだ。
ほどなくして飯岡沖の45メートルダチに到着。予報に反し、海は思いのほか穏やかだ。
船長から、
「反応がありましたよ!」というアナウンスが出たのち、投入開始が告げられた。
「きたよ!」と釣友の茂手木くんの声が聞こえたが、どうも引きが弱々しい。
「こりゃ魚が違うかもね」と私が言うと、
「一応魚はいるみたい」という返事。
早くズラズラの写真を撮って竿を出したい私だったが、上がってきたのはイワシのズラズラ。これを見て船長は移動を即決。釣れないところで粘らない。次つぎと群れを追いかけてこそ追っかけアジだ。
ところが、これぞという群れが見つからない。シケ続きでアジの群れは沖へ泳ぎ去ってしまったのだろうか……。
その後も反応を探しつつチョコチョコと移動を繰り返したが、状況は今イチ。釣れるアジは型こそいいが、ほとんどが単発でお楽しみのズラズラがない。船長は他船と無線で連絡を取り合うが、どこも調子は悪いようだ。
1流し当たり1〜2回の投入で、しばらく探っていると、いくらか大きな群れの反応が魚探に映ったらしい。船長の声にも力がこもっている。
仕掛けを入れた3人の竿がガクガク震え始めた。しばらく追い食いを待って巻き上げると、私の隣の常連さんが8本バリにパーフェクト。ミヨシの常連さんも同じで7〜8点掛けに大あわてだ。
どうにかズラズラの写真が撮れたので、私もここで竿を出す。仕掛けの枝スは10本だから、2回パーフェクトを決めれば土産は20尾。ふふふ……。
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