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本誌APC/平林 潔
掲載号: 2010年5月15日号
妙な釣れ方……
相模湾のシロギスもシーズン本番目前だ
ぼくら、動くエサに目がないのです
桜の賑わいがひと段落し、若葉がちらほらし始めるとホッとする。
このころから、シロギス釣りも本格的なシーズンに向けて活気づき、相模湾方面ではショートキス乗合など、短時間で手軽に楽しめるシロギス乗合もスタートする。
ショートキス乗合を始めたばかりの腰越港の池田丸に様子見に出かけたのは4月14日。前日は大シケだったから底荒れも心配だったが、さすがシロギス。平日なのにビギナーらしきグループ何組かを含めた15名が乗船した。
定刻の7時に港を出たが、北の風はさほどではないのにウネリがすごい。シケの後遺症だろう。
腰越沖の水深21メートルほどで釣りスタートとなったが、ドンブラコ状態でのシロギス釣りというのは本当につらい。
クッというアタリがあった瞬間、竿先を動かしてエサを吸い込ませようとしても、グーッと大きく船が持ち上がったり下がったり……繊細な釣りなんてできやしない。激しく上下するミヨシに釣り座を構えた私は、いわずもがな。せっかくのアタリを初っぱなから2回も合わせ損じてしまった。
3尾目のアタリをひと呼吸待って合わせると、竿にグッと乗った。
よかった。これでホッとした。なかなか難しいんだよね。船の上下動を考慮して竿先を動かすのだから……。
姿を見せたのは20センチちょいの良型だった。船中では3尾目か4尾目だったかな。釣れているシロギスは、ほぼ同じような型だ。
9時近く、船長は鎌倉沖への移動を告げた。
水深は20メートルそこそこ。ウネリが強くて潮が濁っている。海藻も所どころに流れていて、シケ後の荒れをうかがわせる。
この海を見て「細かい誘いなんて無理!」と諦めた。ヒューンと仕掛けを投げたら、あまり竿を動かさずに流れにまかせて引っ張る。
ある程度運まかせになってしまうけれど、このほうがアタリがきたりするから致し方ない。
そんな状況なのに、胴の間では貸し竿グループを含めて一荷釣りが多発。それも良型が多く、25センチーオーバーサイズも交じっている。
なんとも妙な食い方で、船中だれも釣れていない時間帯に突然に一荷釣りをする人がいるという感じだ。そんなことが何度もあったが、船中あちこちでバタバタとアタる様子はない。
仕掛けを使い果たし、仕方なく手持ちの投げ釣り用3本バリ仕掛けを使った人が、なんとトリプルヒット。ご本人もビックリした様子だった。
まあ、そんな具合だからシロギスはうんといるってことだろう。
10時ごろには船中偵察もおおよそ終わり、集中して釣りができる状態となった。ラッキーなことにそのころから風が静まり、海は急速にナギてきた。
よし!
これでようやく、細かな誘いが可能となる。
合わせのタイミングにちょっとしたズレがあって合わせ損じは続いたが、コンスタントにアタリを出す誘いができるようになった。ポツポツながらいい感じで数がのびていく。
4月半ばは、シロギスオープン戦みたいなものなので、合わせ損じた感覚をつかむことができればそれはそれでOK。シロギスが浅場でバリバリとエサを追うベストシーズンは5月下旬から6月上旬ごろだから、そのころに最高の調子になるよう調整していければいいのだ。
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