Check
本誌編集部◎村上敬洋
掲載号: 2010年4月15日号
アレッ、渋いぞ!
イサキのほか様ざまな魚が狙える。一石二釣(!?)
立春を過ぎても雪が降ったり、強い風が吹いたりと荒れ模様が続いた関東地方だが、3月も半ばを過ぎるとさすがに春らしくなってきた。
そんな今、注目したい東伊豆の釣り物の一つが遠征イサキ五目。メインターゲットのイサキは20〜30センチを中心にいい日はトップ50尾オーバー。このほかシマアジ、マダイ、オナガダイといった豪華なゲストが狙えるのが魅力で、本命以上に期待する釣り人も多いという。
釣期は春から秋口までと長いのだが、型のいいゲストに出会える確率が高いのが開幕直後なのだそう。
今シーズンの遠征イサキ五目の様子を伺うべく、網代港のゆたか丸を訪れたのは3月22日。
昨年までは4月1日が開始日だったというが、船長たちの話し合いによって今年は3月後半の3連休初日、20日が開始日に決まったという。
ところが20日は山口充さんが釣行するも大荒れで釣り場に行くことができず、この22日が事実上初日となった。
集合時間の3時までに集まった釣り人は16名。ほとんどが昨シーズンの初期にいい思いをした常連さんだとか。
各自の荷物を積み込んだところで3時半に出船。操船は大船長の森野豊さんと若船長の孝さんが交代で行う。
釣り場の網代南沖までは片道2時間ちょっと。到着するまではキャビンに備え付けられたベッドで仮眠を取る。
5時半。キャビン内の照明が明るくなるとともに、エンジンがスローになった。
デッキへ上がると空は晴れ渡り、海上はナギ。周囲には宇佐美港からの船も見える。
ゆっくり準備を整えたところで規定時間の6時となり、船長は50メートルダチに船を止めて海面下34メートルという指示を出した。
船中全員が合図とともに仕掛けを入れ、指示ダナよりも仕掛けの全長分だけ沈めてから、竿をあおって誘いつつ指示ダナまで巻き上げてアタリを待った。
この南沖は浅場で水深40メートル、深場になると100メートルほどと水深に幅があるのが特徴で、水深によって釣れる魚も変わってくる。
例えばシマアジは40〜50メートル、マダイは50〜80メートル、オナガダイは80〜100メートルといった具合。イサキは浅場から深場までどこでも釣れるのだとか。
1流し目は船中ゼロ。海面下28メートルという指示で迎えた2流し目ではイサキがパラパラと釣れ上がった。
サイズは25センチ前後。まだ活性が低いのか、ほとんどが単発。
その後、船長は潮回りをするたびに深場へと船を回す。指示ダナも48メートル、50メートル、62メートルと段階を追うように深くなった。
ところが深場も食いは渋い。たまにイサキとアカイサキが釣れるだけで、豪華ゲストなど影も形もない状況。「いやあ、今日は厳しいねえ。反応に船を乗せても仕掛けを下ろすと群れがパッと散ってしまうよ。水温も低いんだよなあ。ホラ見て、13度台だよ!」といって苦笑いを浮かべる孝船長。どの魚を狙うにしても15〜16度はないと厳しいらしい。
でも常連さんたちはメゲない。水温が低けりゃメダイでも食うんじゃないの!
と盛んに誘いを入れていた。
Page1 アレッ、渋いぞ!
Page2 期待の後半だったが…
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。