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フィッシングライター/竹川啓二
掲載号: 2011年2月15日号
寒風に負けそう…
起死回生の1枚は37センチ。お見事!
冬の江戸前の風物詩ともいえるマコガレイ釣りが好スタートを切った。
今シーズンはカワハギやシロギスが好調続きのせいか湾奥の江戸前船宿のスタートは例年よりちょっぴり遅かったが、日並みに恵まれれば名物の「座布団」級含みの好釣果が連続している。
それ以下の20〜30センチ、いわゆる煮付けサイズも多数とあって今年も東京湾は賑わいを見せているようだ。
1月10日に出かけたのは東京湾奥浦安の岩田屋。浦安で最も古い老舗船宿で、先代のころからカレイ釣りを得意としているという。
4代目の岩田一人船長は、「カワハギが釣れ続いてなかなかカレイにシフトできなかったけど、2月20日にウチが所属する東京湾遊漁船業協同組合主催の大きなカレイ釣り大会があるので、下見を兼ねて乗合船を出すことにしました。仲間の船からは釣れているとの情報でしたから今日は色いろな釣り場を回ってみる予定です。昨年は僅差で優勝を逃しましたから、今年はデカいマコガレイがいる場所を探し当ててやりますよ〜!」と鼻息も荒い。
カレイだけでなく、どの魚種も大型狙いを身上としている船長だけに、昨年の雪辱を晴らそうと闘志を燃やしているらしい。
当日は天気予報もあまり芳しくなく、初日ということもあってか、集まったマコファンは総勢7名。
釣り場が近いこともあり、出船はいつもより30分遅い7時半。
まず向かったのは浦安の船宿にとっては庭ともいえる近場の行徳沖。ディズニーランドを左に見ながら30分ほどで到着した。
ところが着いてびっくり!海は想像以上に悪い。予報では4〜6メートルといわれていた風も「どう見たって10メートル以上はあるっしょ〜!」である。
そんな中でアンカーが投入されて釣り開始の合図が出た。水深は10メートル前後。湾奥マコのキーワードともいえる深さだ。
白波にもまれた男7人はそれぞれハリにエサのアオイソメを房掛けにして次つぎに仕掛けを投入する。
上げ潮が効いている時間ではあるが、風の強さに反して潮は流れておらず、ただ釣れない時間だけが流れていく。
ちょっとした移動を何度かしたが効果なし。
北風がそんな我われをあざ笑うかのように寒さをプレゼントしてくれて、体の芯まで凍っていくような気がした。
このままでは釣り人が戦意喪失してしまうと(すでにしていた!?)みた船長は、10時過ぎに風裏になるポイントに舵を向け、大きく移動することとなった。
風の強さは変わらずではあるが波は若干静かなようだ。
1人のベテランが、「ここは出ればでかいよ」とポツリ。
それを聞いて再び船中にやる気が起きたが、当のカレイくんはその気じゃない。もちろんここまで船中オデコであることは今さら説明するまでもないだろう。
めぼしいポイントを探るも依然カレイは姿を見せず。時合はまだか!
昼前に船長がお湯を沸かしてくれて、各自持参のカップ麺などで暖を取りつつ早めの昼食としたが、カップ麺はあっという間に冷やし中華にメニューが変更。それにしても寒い。
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