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本誌APC(埼玉)◎釜井昌二
掲載号: 2009年1月1日号
もしかしたら、もしかするぞ
途中で引きが止まり、浮いてくるってこたあ……!
開始から1時間。
「タモ、タモ!」と左舷ミヨシ氏が叫ぶ。駆けつけるとグワッと大きく口を開けた1.4キロのオニカサゴがタモに収まった。
次は俺だと勇んだ30分後、竿先が10センチほどたたかれて、待望のヒットを確信する。ウネリの上下動でどんな大物が掛かったのか分からないため、手巻きで慎重に巻き上げた。
そして澄んだ海中から朱色の魚体が浮上、ドドーンと1.6キロのオニカサゴをゲットした。
そして大オニの興奮が落ち着いたころ、ほんの一瞬、速かった潮がたるんだ。
「なんだか急に潮が落ち着きましたね」と、右舷ミヨシ氏と話していたまさにその時、再び私の竿先がたたかれた。
今度は50メートルほど巻いたところで少し軽くなったため、電動で巻き上げる……。
「これはもしかしたら、もしかするぞ」と船長。その言葉どおり、ポカーンと浮いてきたのは銀色のスズキを太らせたような魚体、ア、アラだ!
1.6キロのいわゆる「小コアラ」だけど、人生初のアラである。興奮しないわけがない。
その後は船中で良型のノドグロのみに終わり、予定より30分早い11時半に納竿となった。
当日は速潮に見舞われたが、本誌発売のころには落ち着いて釣りやすくなっているはず。何より、速潮に悩まされながらもこんなにいい思いができるのだから、海の底は間違いなく根魚の楽園なのだと思う。
[三次郎丸]滝沢健司船長
Page1 ガガンと 1.6 キロの赤い影 ボコンと銀色の影!
Page2もしかしたら、もしかするぞ
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