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本誌APC(神奈川)/平林 潔
掲載号: 2012年5月15日号
イカとフグの猛攻に遭遇
イカとフグが多くて苦戦したけれど、今回もちゃんと釣れてよかったなあ!
エサの付け方から釣り方まで、親切にレクチャーしてくれる新明慶樹船長
今春は例年になく悪天候が続いたが、ようやく海が落ち着いた4月17日。ふとマゴチを釣りたくなって、東京湾奥鶴見の新明丸を訪れた。
当宿はサイマキエサで狙うマゴチ釣りの元祖。以前は親方の新明利勝さんが担当していたが、現在は息子の慶樹さんが舵を握っている。
とても面倒見のよい船長で、おまけに相当なイケメン。釣りガールから注目されそうな船長だ!
悪天候の影響を心配する人が多かったのか、当日の釣り人は僕を含めて3名。
そこそこ大きな船に3人だから、釣り座には当然余裕がある。そこで2本竿で狙うことにした。
定刻の7時半に出船すると、大貫沖の10メートルダチ前後を目指してベタナギの海を走る。最近は釣りに出かける朝、知人からいただいた金毘羅宮のお札に手を合わせてから家を出ているのだが、そのおかげか今日も静かな海で釣りを楽しめそうだ。
釣り場に到着したのは8時半ごろ。船長から、
「ハイ、どうぞ!」のアナウンスがあった。
お客さんのうち1人はマゴチ釣りが初めてとのことで、船長がエビの付け方やタナの取り方について竿を手にしてレクチャーしていた。こういった指導が受けられるとビギナーでも安心だろう。
しばらくするとアタリが出始めたが、サイマキの背中に丸く穴を空けられたり(スミイカの仕業)、スパッと噛み切られたり(フグの仕業)と、なかなか本命のアタリがこない。
とくにイカのアタリはグーッ、グッと竿先を引き込んでいくからマゴチと勘違いすることもある。ドキドキハラハラしながら大きく合わせても、当然空振りだ。
「昨日までは、こんなにイカやフグが活発じゃなかったんだけどね……」と船長は大きく場所を移動した。
どうにかしてイカやフグから逃げなくちゃ、マゴチが食う前にエサを使い果たしてしまう。
移動した直後の10時前、左胴の間氏に、明らかにマゴチと分かるアタリがあった。何度かの押さえ込みの後で、大きく竿が引き込まれたときに合わせたが、残念ながら空振り。合わせのタイミングもバッチリだと思ったが、アンラッキーなスッポ抜けだ。
その40分後にも胴の間氏の竿にアタリがきたのだが、2回連続で合わせに失敗し、相当しょげていた。やっぱりマゴチって一筋縄ではいかないよね。
そのすぐ後で僕の竿にもアタったが、コツン、グーッという感触で何かおかしい。
頃合いを見て合わせるとハリ掛かりしたが、浮いてきたのは30センチ級のフグ。これはとてもうれしい外道である。船長によるとサイマキで釣れるフグは大きいとのこと。
でも今日の本命はマゴチ。フグで喜んでちゃいけないなあと思いながら再び仕掛けを入れる。
すると11時ごろ、ようやく本命らしきアタリが訪れた。なんとも素直じゃないアタリで、押さえ込みも小さく、
「今だっ!」という食い込みのサインもない。だけどジワーッと竿先をわずかに上げて糸を張ってみるとグーッと重みが伝わる。
しばらくそんな状態が続いたあと、ククッという感触で大きく竿をあおると合わせがバッチリ決まりホッとした。
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