新緑が目にまぶしい季節、江戸前の人気リレー「シロギス＆アナゴ」もいよいよ本格シーズンだ。
　シロギスと言えば手軽に楽しめる沖釣り入門ターゲットの代表格。一方のアナゴといえば江戸前の夜釣りの定番。エサ取り上手でハリ掛かりさせるまでの妙が通好みとされ、
　「オナゴ遊びの上をいく面白さがある」とおっしゃる男衆も多いとか少ないとか。
　どちらも食べておいしいとのお墨付きだから、この2種を同時に狙うリレー船が注目を集めるのも当然だろう。
　
　4月29日に訪れたのは東京湾奥羽田のえさ政釣船店。
　江戸前の老舗船宿である同宿はシロギス＆アナゴリレーを初夏から梅雨期にかけての看板釣り物にしている。
　「リレー船は13時の出船ですから、当日朝の天気予報を見てから出かけられます。朝もゆっくりできるから家族連れや女性でも心配ありませんし、貸し道具や仕掛けも常備していますから手ぶらでも大丈夫。これからが本格的シーズンとなりますから日並みを見てぜひ遊びに来てください！」と、魅力を話してくれたのは江戸前チャキチャキの正子おかみである。
　当初は23日の釣行を予定していたが強風であえなく中止。翌24日は出船こそできたもののやはり風が強く、前半のシロギス釣りのみで早揚がりとなった。よって本日に再出撃となったのである。
　しかしこの日も風が吹く予報で、ゴールデンウイーク初日だというのに集まった釣り人は私を含め6名。ややさびしい人数だが、定刻13時に村石春彦船長の舵取りで河岸払いし、シロギス釣り場である中ノ瀬の15〜18メートルへ。
　およそ50分走って到着すると日中船や同じリレー船がシロギス釣りの真っ最中。私たちも潮回りして船団に加わり開始となった。
　のんびりと道具の準備をしている私の隣で釣友の茂手木さんが20センチ級をゲット。私が竿を出すまでに同級を3連釣してしまった。
　トモでも同級が釣れ続き、シロギス好調を裏付けるような釣れっぷり。
　私にも丸まるとした刺身向きのシロギスがヒット。入れ食いとまではいかないが、仕掛けを前方に軽く投げて手前にサビいてくるとブルッと小気味いいアタリが伝わってくる。
　先週から風が吹き続け、底荒れしているはずなのにこれだけ釣れるのだから、今シーズンのシロギスは相当魚影が濃いようだ。
　20センチ前後のほかにも15センチ前後の天ぷらサイズがポツポツと上がり、船中13〜33尾と各自しっかりお土産を確保することができたほか、アジやムシガレイやイシモチも交じってクーラーは賑やかになった。