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フィッシングライター◎朝倉 真
掲載号: 2009年4月15日号
2本竿で狙ってみる
東京湾のマゴチ乗合が今年もスタートした。年々開始時期が早くなっているような気もするが、3月下旬に先陣を切った船宿ではすでに60センチを超えるモンスター級が上がっているという。
個人的には「照りゴチ」シーズンが好きなのだが、現在の釣れっぷりも見逃すことはできない。
4月10日に訪れたのは東京湾奥鶴見の新明丸。マゴチをはじめフグ、マダコ、スミイカなど東京湾の代表的な釣り物を看板とする老舗船宿だ。
さっそく新明利勝船長に開幕直後の模様を尋ねると、水温はまだ15度で釣果が安定していないそうだが、連日トップが3〜4本、ツ抜けの一歩手前の8本の日もあったというから期待ができる。これから水温が上昇し、夏の赤茶色の潮になれば釣果も右肩上がりになるとか。
今回のメンバーは私を含む5名。私は空いていた左舷ミヨシに釣り座を構えた。やがて各自に元気のいいサイマキがエサとして配布され、定刻の7時30分に出船となる。
ベタナギの海を40分ほど走って到着したのは第二海堡の南東付近。水深16メートルで投入の合図が出た。
平日ということもあり、釣り座の間隔に余裕があるので、1本は置き竿、もう1本は手持ちという2本竿で狙うことにした。
ところでマゴチ釣りは一見のんびりしているように見えるが、海底の起伏に合わせ頻繁にタナを取り直さないとアタリは出ない。とくに2本竿だとかなりの忙しさになる。
1〜2流しは船中アタリなしだったが、水深18メートルで迎えた3回目の流しで右舷ミヨシのベテラン氏にアタった。
船長の差し出す玉網に収まったのは54センチ。ベテラン氏によるとアタリは小さく、押さえ込みも弱かったらしい。
「久しぶりのマゴチだから、じっくり待ってから合わせを入れたよ」と笑顔でマゴチを掲げてくれた。
幸先のいいスタートに、だれしも次こそ自分が……と色めき立つ。しかし、どうしたことか次が続かない。
魚信がないまま時間だけが経過していく。私のカメラはスタンバイOK。あとは魚が釣れるだけなのだが。
結局海堡周りでアタリはなく、10時過ぎに大貫沖へと移動した。ここでは不思議なアタリが連発。竿先が押さえ込まれ、強く引き込まれるもののハリ掛かりはしない。
この正体はスミイカ。タナを取り直すごとにエサに抱きついてくるから困ったもの。しかし右トモの釣り人は、だましだまし海面まで巻き上げて600グラム級のスミイカを取り込んだ。お見事。
イカのほかに我われ釣り人を困らせる外道がフグ。なんの感触もないままキレイにエサをかすめ取っていくのだからたまらない。
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Page2 夢 の 60 セ ン チ 級 に 感 激 !
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