Check
本誌編集部◎尾川泰将
掲載号: 2009年2月15日号
最後にラッシュ!
これが村田さんの巻き上げスタイル
最大48センチ。ツノはもちろんダブルカンナの11センチ
左舷胴の間から出した竿は、オモリ負荷30号3.3メートルのマダイ用。オモリは120号だから折れるかもと不安だったが、投入してみるとグニャリと弧を描いて、ほどよくウネリに乗る。これ以上硬い竿だと、竿先が跳ねて、よくないだろう。
問題はヤリイカの活性だ。かなり渋く、左舷ミヨシで誘い続けている村田さん(長井.辰丸で鍛えたベテラン)にも、ポツポツ程度しか掛からない。
「うーん、普通だよねぇ」
上がるヤリイカも25センチ前後の中型で、村田さんは落胆している。乗り渋りの典型だ。とはいえ3時間経過したところで20杯を数えたのだから、さすがは長井のイカ釣り師だ。
この村田さん、スムースな手返しはもちろんのこと、イカが乗ってからの巻き上げがかなり高速。ブランコ仕掛けを使っているが、直結仕掛け並みの巻き上げスピードだった。
巻き上げ時、竿先を斜め下に向けているのも勉強になる。竿の弾性は無視し、リールの動力とドラグ調整だけでガンガン巻き上げるのだ。なるほど、これなら腕も疲れない。
一方、こちらはまだ7杯。置き竿釣法は、よほどの入れ乗りでしか楽しめないのか……。しかし残り1時間を切ったところで、待ちかねた時合到来!35〜48センチの大型がバリバリと乗りだした。
落とし込みで乗ることも多く、ここで2〜4点掛けを連発。終わってみるとスルメイカ交じりで26杯(ヤリ20杯)を手にできた。なにせヤリイカが大きいから、中小型のヤリを50杯以上釣り上げたようなボリューム感、もう十分だ。
船中6名で村田さん45、村上30、野仲さん31、上野さん32、西里さん29(全体の1割がスルメ)。好日ではないけれど最後の入れ乗りに救われた。
スソではあるが、置き竿&巻き上げスイッチポンの長竿釣法も捨てたもんじゃない。疲労度も見事半減、体力に自信のない方は今回気付いた要点を参考に試してみてはどうだろう。
★投入は竿先が非常に邪魔なので、竿先を下げて行うこと。
★乗り渋り時にそこそこ有効と感じた誘いは、以下2つ。
(1)底上10メートルまで超低速で巻き上げては、再び落とす。途中でポツンと抱きついた。
(2)オモリを底に立て……糸を緩めて〜……ビシッ!
長竿を思い切りあおってツノを踊らせるこの誘い方も、効果があった。
巻き上げは「中速のやや上」程度でよいが、ウネリで持ち上がったときにドラグが滑り出すよう調整しておこう。
1月20日、彌太丸はヤリイカだけで52〜92杯を記録。おいしいデカヤリ狙いは2月いっぱいが勝負になりそうだ。
[彌太丸]芝敏文船長
Page1 往年の駿河湾スタイルを試す
Page2最後にラッシュ!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。