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本誌編集部◎尾川泰将
掲載号: 2009年2月15日号
往年の駿河湾スタイルを試す
3本継ぎの安価なマダイ竿。はたしてイケるのか!?
ポッカポカの電気毛布にくるまって航程2時間。1月14日の早朝は0度近かったが、彌太丸のキャビンは心地よし。
着いた石花海(正確には合ノ瀬。2つある山の南側)は外洋だけに2メートル弱のウネリはあるが、西風のシケが収まった貴重な一日だった。
「あぁ、快適快眠でひふぁ〜」
寝ぼけまなこで欠伸あくびすると、
「こっちは寒くて寝れなかったよぉ(笑)」と上野さん。同行の本誌.村上も鼻水が膨らんでいた。聞けば一部断線があり、通電している電気毛布をこちらに譲ってくれたのだ。
横浜方面から来られた上野さんと野仲さんは10年来ここに通っている。釣りキチ高じて船宿業を始めた気さくな芝敏文船長を慕う、常連さんだ。よい店にはよい客が集まるという定説があるが、お2人の気遣いにそんな匂いを感じとれた。
デッキに出ると快晴の空、北には白雪をかぶった富士山と南アルプス連山が目にまぶしい。西には御前崎、東に伊豆半島。石花海から望む駿河湾ならではの一大パノラマだ。
周知のとおり石花海のヤリイカは胴長40〜50センチの「パラソル級」を交えて好況まっただ中。当船も先日、トップ90杯台という好乗りを見せた。
しかし今日は定番のヤリイカタックルを持ち込んでいない。「そんな人、もういないよ〜」と船長は爆笑したが、往年の駿河湾スタイルとして知られる長竿釣法を試したいのだ。
主要ポイントは180〜240メートルという深さ、さらに外洋特有のウネリをかわしながらのヤリイカ釣りは、正直なところ非力な方にはつらい。その一助としてマダイ竿を使用した「置き竿釣法」にトライしたかった。今の石花海ならそこそこ釣れる予感がする。
Page1 往年の駿河湾スタイルを試す
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