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本誌APC(長野)/高田 光
掲載号: 2011年1月1日号
マダイは絶好調!
4.8 キロのマダラ。私も釣りたかった…
荒波吠える冬の日本海の味覚と言えば、まずはアツアツのタラちりが筆頭格。マダラの身はもちろんのこと、来年1月ごろまでは美味な白子を持つ上、真子とキモも絶品である。
11月25日、一瞬のナギ日を狙って新潟県上越地方の能生漁港、大進丸を訪れた。ところが船長によれば、「最近マダラの釣況がおもわしくないので、朝マヅメはお土産確保の目的でマダイ釣りをやります」とのこと。つまりマダイとマダラのリレー釣りである。
ひと昔前ならお土産確保の目的で、ほんの片手間にマダラを狙ったものだが近年は環境が変わったせいかマダラもそう簡単には釣れないのだ。
出船は5時半。未だ薄暗い中を大進丸はゆっくりと航行し、6時ちょうどに能生沖の75メートルダチで投入の合図が出された。まずはマダイ釣りである。ここで船長のアナウンスは、「コマセカゴを投入したら、海面下60メートルでアタリを待ってください。エサ取りはほとんどいません」というもの。私は最近ハリスにフロロカーボンの5号を多用しているが、釣友なんぞは6号を使用し、人並み以上の釣果を上げている。
なぜ太めのハリスを選ぶのかというと、一日で最も食いのいい朝マヅメに無駄なヤリトリはしたくないし、外道のワラサとブリが掛かることを想定しているからだ。
案の定、1流し目からマダイは食ってきた。ドラグは作動せず、手応えからしてさほど大きくもなさそうなので私はハリス5号の強度を信じて一気に電動巻き上げを行う。
船長によって取り込まれたのは美麗な2.4キロ。ここでハリスのチェックなどこまごまとしたことはしていられない。絶好のチャンスタイムは今だ。私は間髪を入れずすぐに再投入した。
すると思惑は見事に的中、タナを取った直後に2枚目が食ってきた。これも電動にて躊躇なく巻き上げたが、初物より少し小ぶりな2キロ級。
チャンスタイムはなおも続き、ほどなく3枚目を手にした。ところが運悪くハリを口中深く飲み込んでいるではないか!
仕方なくハリスを切ってハリを結び直したが、時間的ロスは甚だしい。
もちろん口中からペンチでハリを引き抜いて釣り続けてもいいのだが、マダイとのヤリトリで傷ついたハリスでは、大ダイが食ったらひとたまりもないだろう。
ちなみに今年も大進丸では10キロオーバーが顔見せしているため、朝夕のマヅメ時はとくに油断ができない。
その後もマダイの食いは快調で、さらに2枚を追釣。しかし型のほうは1.5キロ級、そして1.2キロ級と下降の一途を辿っていた。
しかも本命を手にした余裕から、強欲が募った6枚目は巻き上げ途中に無念のバラシに終わり嫌な予感が脳裏をよぎる。そんなときに船長より、「エサ取りが多くなってきましたので、付けエサの確認をまめにやってくださ〜い」とのアナウンスが出された。
私はマダイとの格闘で我を忘れていたが、気がつけば太陽は高く上り、あれほど釣れ盛ったマダイも急におとなしくなってしまった。すると今度はイナダのオンパレード。そしてたまに交じるのはハナダイとキダイ。とはいえイナダは0.8〜1.8キロがメインで丸まると太っており、春や夏に釣れるイナダと比べてもはるかに美味な代物だ。
そんな中、右胴の間氏が船中最大となる3.3キロのマダイを釣り上げた。
Page1 マダイは絶好調!
Page2 マダラは……マダか?
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