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◉釣り人(埼玉)/吉岡進
掲載号: 2012年12月1日号
潮が動かない…
10月28日、茨城県日立久慈漁港の第一大漁丸さんで開催された上州屋主催「一つテンヤ教室」は盛況のうちに幕を閉じたが、講師を務めた私はほとんど竿を出さなかったため日立沖のマダイに未練たっぷり。そこで10月31日、再び同船を訪れ一つテンヤを楽しんできた。
この日は平日にもかかわらず12名が集まり満船。私は右トモに入れていただいた。
6時に出船、北に向かって20分ほど走り日立沖25メートルダチに到着。ややウネリがあるものの釣りにくいほどではない。
しばらく潮の様子を見ていた阿内船長が、
「潮が動いてない」とひと言。
パラシュートアンカーを入れずにどてら流しで開始となった。
ビンビンテンヤ5号のゴールドをハリスに結び、まずは基本どおり船下にテンヤを下ろしてリフト&フォールで探る。確かに潮は効いておらず道糸は立ったまま。風に押されて少しずつ船が流れてはいるようだがアタリはない。
最初のポイントは不発ですぐに移動。さらに北へと向かう。
30分ほど走った釣り場には数隻の船が浮いていた。水深は変わらず25メートル前後。船長によると、この一帯は緩やかに起伏する大きな根とのこと。
秋のマダイは底のエサを食いあさる傾向があるので、ここでも底付近をたんねんに探った。するとファーストバイト!
即合わせが決まりロッドが曲がった。しかし手応えが軽く、上がってきたのは手のひらほどのマダイ。
周りでも同級のマダイが釣れているようで、小型主体ながらにわかに船上が活気づく。
その後もリフト&フォールで連続ヒット。しかし、なかなかサイズアップしないため、釣り方をこの秋のマイブーム「ボトムステイ」に変えてみた。
ボトムステイの釣り方は、テンヤを底に着け、糸フケを出して3秒ほど待ち、アタリがなければ大きくシャクって下ろし、再びテンヤを着底させる、を繰り返す。
誘いを入れると小ダイが盛んにアタックしてくるとき、エサをできるだけ動かさないこの釣り方で中〜大ダイを釣ったことが何度もあり、この日の状況にもマッチするはずだ。
しばらくボトムステイで探っていると、シャクった竿をガシッと止められた。800グラムにセッティングしたドラグから何度もラインが引き出され、ややあって1キロ級のマダイが上がってきた。
狙いどおりのサイズアップ、してやったり。しかし後が続かず、小ダイのアタリも次第に遠のき移動となった。
その後も船長は移動を繰り返し、実績のポイントを次つぎに探ってくれるのだが、どうにも潮が動かない。
沖揚がり間近、船中で500〜600グラム級が入れ食いになる一幕があったが、大ダイは姿を見せることなく13時半に沖揚がりとなった。
船中釣果は1キロ級を頭に5〜17枚。しかし、ほとんどの人が手のひらサイズの小ダイをリリースしていたので、釣れた魚の数は2倍以上になったはず。
船長によれば、日立沖で大ダイが頻繁に出るようになるのは例年これからとのこと。本誌発売の11月中旬以降は大いに期待して釣行してほしい。
[第一大漁丸]阿内克仁船長
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