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フィッシングライター/上田龍太郎
掲載号: 2012年10月1日号
あっ、ヒラマサだ!
コマセカゴの中央に貼られたステッカーが好調の秘訣……なのか?
その後は時折イサキがヒットする程度に食いは落ち着き、8時を過ぎるとイサキもアタらなくなった。
8時40分にこの沈黙を破ったのは山口氏だった。端から見ていても明らかに青物と分かる強い引きである。
山口氏は冷静に対処して魚を海面まで浮かせ、須藤氏の差し出す玉網に難なく収めてフィニッシュ。
よく見るとそれはワラサではなく、体側やヒレの黄色が鮮やかな3キロ級のヒラマサである。
その後再び沈黙が続いたが、9時半ごろ、またしても山口氏の竿が引き込まれた。今度も先ほどと同クラスのヒラマサで、他の3人はまたしても指をくわえて眺めることとなった。
絶好調の山口氏に仕掛けについて尋ねると、
「仕掛けはハリス6号と4号をつないだテーパー式で、全長10メートルです。ハリのチモトに装飾品などは一切付けてません」と教えてくれた。
腕が違うと言ってしまえばそれまでだが、山口氏に何か秘策があるのか気になっていると、
「やっぱり、これの効果ですね!」と笑いながら、若宮丸の特製シールが貼られたコマセカゴを見せてくれた。船長によると、このシールは船宿で希望者に配っているとのことなので、私も次回はこのシールを貼って、御利益を賜りたいと思った。
山口氏がヒラマサを2本釣り上げたあと、私はハリスを5号10メートルに替えてみたがアタリはない。船長によると潮の流れが止まってしまったらしい。
その後はイサキがポツポツ釣れただけで、残念ながら山口氏をのぞく3人には目立った釣果がないまま、正午過ぎに沖揚がりとなった。
船長によると、当日は他船でもマダイとともにイナダとワラサ、そしてヒラマサがポツポツ釣り上げられており、今後ワラサの群れが固まってくると一気に本格化するのではないかとのことであった。
[若宮丸]土屋嘉公船長
Page1 山口氏の独り舞台に!
Page2あっ、ヒラマサだ!
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