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[スルメイカ]
駿河湾清水港発…石廊崎沖 彌太丸

スルメようやく本格化 今後の爆乗りを熱望!

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フィッシングライター/上田龍太郎
掲載号: 2012年9月1日号

石廊崎沖はまさかの悪天候

 


ようやく乗り始めた駿河湾のスルメイカ。御前崎方面での活発化も切望します
あとはガンガンとシャクるだけ!


 駿河湾では例年6月に入るとスルメイカ釣りが活況を呈するが、今シーズンは好不調の波が大きく盛り上がりに欠けていた。
 しかし7月半ばになって、ようやく石廊崎沖でスルメイカが好調に釣れ始めたとの知らせが届いた。
 今シーズン、まだスルメイカの入れ乗りを味わっていなかった私は、電動直結での多点掛けを夢見て7月22日に清水港の彌太(やた)丸に乗船した。
 
 午前3時、港には私を含む5名の釣り客が集合。左舷に2名、右舷に3名が座ることになり、私は右舷胴の間に釣り座を構える。
 3時半に港を離れると、一路石廊崎沖へ。航程は片道2時間ほどかかるが、彌太丸の船室には芝敏文船長手作りの2段ベッドが設置されており、釣り場までぐっすりと眠ることができる。
 5時半過ぎ、エンジンがスローになったところで目が覚めた。甲板に出て陸を眺めると、遠くに石廊崎の風力発電装置や入間の三ツ石岬が見えた。船長に聞くと、石廊崎の沖合5マイルほどとのこと。
 当日は北東微風の予報であったが、北東風が思いのほか強く吹いており、釣りづらそうな状況であった。
 私の仕掛けは三浦半島長井方面では一般的なピッカピカ針14センチ(シングルカンナ)の12本直結仕掛け。他の方がたは、駿河湾では一般的なダブルカンナの14センチプラヅノ。仕掛けは直結だけでなく、ブランコを選ぶ人も見受けられた。
 協定時刻の午前6時、
 「水深は150メートル、イカのタナは120〜140メートル」とのアナウンスでスタート。仕掛けを110メートルまで沈めたところからイカの触りをうかがいつつ、ゆっくり仕掛けを落とし込んでいったが、残念ながら何の反応もないまま仕掛けはタナを通過し、オモリが底に着いた。今度は電動リールを中速で巻き上げながら小刻みなシャクリを入れ、120メートル付近まで誘い上げるがやはりアタリはなく、第1投は全員空振りのまま仕掛けを回収。
 2投目も空振り。3投目でようやく乗りが訪れ、胴長30センチのスルメを1杯ゲットしたものの、その後は再び乗りが遠のき、私は開始2時間で2杯という貧果であった。
 周囲にいる職漁船も仕掛けを下ろさないで様子見している船が多く、船内には早くも諦めムードが漂う。
 しかし8時半過ぎに180メートルダチで船長が好反応を発見した。すかさず投入すると140メートル付近で乗り、ゆっくりシャクり上げてくるとずっしりとした重み。
 期待しつつ巻き上げを開始したが、船下に入っていた私の道糸は船のスクリューに巻き込まれてまさかの高切れ。ショックで涙目だ……。
 周囲の人たちはブランコ仕掛けで盛んにスルメを抜き上げており、焦りながら仕掛けを準備する。このときに、
 「ブランコ仕掛けに替えたほうが手堅いかも……?」という考えも頭をよぎったが、私は今シーズン、スルメは直結仕掛けで狙い通すと決めていたので、使い続けることにした。
 やがて30分ほどで反応は消え、船内は再び沈黙状態に。
 北東風のウネリは相変わらず高い。ブランコ仕掛けに時どき乗りが訪れても、サバにつかまってイカが振り落とされているようだ。とはいえ、
 「サバがいないところにはイカもいない」とのこと。こうなると直結仕掛けのほうがトラブルも少なく、快適に楽しめる。


 

 


 

 

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