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釣り人◉福田 豊起
掲載号: 2012年8月15日号
ああ、せっかくの大物が
残念ながら当日は岩瀬さんの1キロ級が最大だった
いくらカモしても……
「5キロを超す大ダイを釣りたい!」とは釣り人の多くが思うことではないだろうか。釣り人にとってまさに金メダルだ。外房のカモシマダイはその夢をかなえてくれる有力候補といえるだろう。
大ダイの夢をかなえるべく6月17日に訪れたのは勝浦松部港の盛幸丸。ところが本庄信行船長に近況を聞いたところ、ここ数日急激な底潮の水温低下で状況はかなり厳しいとのこと。でも、海は出てみなければ分からないもの。期待と不安を抱いて船に乗り込んだ。
この日の釣り人は岩瀬さんと安達さん2人の常連さんと私の3名。和やかな雰囲気の中、5時15分に港を離れた。
船はゆっくりと勝浦灯台沖のポイントに向かい、航程15分でポイントに到着。
このところはマダイがメインでヒラマサは2〜3キロがたまに交じる程度とのことで、この日は全員がマダイを意識した細ハリス仕掛けでスタート。狙うは大ダイだ。「やってみてください。タナは20ピロ、30メートル」と船長からアナウンスが流れた。
そして間もなく岩瀬さんにアタリがあった。どうやら期待の大ダイではないようだが、時折小気味よい引きを見せている。上がってきたのは1キロジャストのきれいなマダイ。とりあえず本命の顔を見ることができてひと安心だ。
この後、仕掛けを回収すると付けエサが毎回取られてくるようになった。事前の状況では底潮の水温低下でイサキすら口を使わないと聞いていたが、まったく魚の活性がないわけではないようだ。
常連2人に話を聞いた後、自分の釣り座に戻ってみると置き竿が引き込まれているではないか!
あわてて竿を手に取りヤリトリ開始。
突っ込みはそうでもないが、なかなかの重量感で思うように巻き上げることができない。ところが竿でいなしているうちに呆気なくテンションを失ってしまった。痛恨のバラシだ。
仕掛けを回収してみるとハリスに細かい傷がついている。ハリスのキズはウマヅラの仕業であろうが、引きの主はかなりの重量感があったけどなぁ。
エサ取りがいっそう激しくなったため、船は御宿沖に移動。すでにこのポイントを攻めていた僚船ではマダイの型を見ているそうで、気合を入れ直して再び投入。しかし、この後も本命からのシグナルは訪れてくれなかった。
この2日後、底潮の水温も緩み5キロの大ダイをキャッチしたとの報を女将さんから受けて、再びのリベンジを心に誓った私なのだった。
カモシマダイは9月ごろになると中小型主体の数釣りになる。また、ヒラマサの回遊次第ではこちらがメインターゲットとなる。大ダイにこだわるならば早めの釣行がおすすめだ。
[盛幸丸]本庄 信行船長
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