ここからは朝の沈黙が嘘のように本命のアタリが出始める。どこかでヒラメが1枚上がると、こちらでまた1枚という具合に連続して取り込まれる展開が続いた。型も1〜2.5キロの食べごろ、肉厚ヒラメばかりだ。
　私も特大のアイナメを皮切りに1キロ級のヒラメを連発。ヒラメばかりでなく、大型のクロソイ2尾も交えアタリが止まらない。ましてやライトなので、ヤリトリはもちろん、アタリの一部始終が手に取るように分かるので楽しくないはずがない。
　そしてドラマが訪れた。コツッという、見逃してしまいそうな小さなアタリの後、様子を見ていると竿先にモタレを感じた。さらにそのまま待っていると、
　「クックッ」とまるでイカのようなアタリとともに竿先から穂持ちに重量感が伝わる。
　すかさず、竿の胴に乗せるように大きく合わせると「グイーングイーン」とストロークの長い引きとともに竿が大きく曲がった。大型ヒラメ特有の底から離れるのを嫌がる素振りを見せている。
　「デカイ！」何とか底から引き離し、ていねいに巻き上げる。様子を見ていた船長も操舵室から飛び出してきて隣でアドバイスをくれた。
　ようやく上がってきたのは4.8キロの特大ヒラメ！
　ライトでの自己記録更新に船長と握手をして大喜び。ライトとは言うもののタックルのポテンシャルとしてはまだ余裕を感じたのが驚きだった。
　この直後、まだヒラメの顔を見ていなかった根岸さんもようやく竿を曲げた。
　「キモチイイ！」を連発してライトでのヤリトリを満喫している。上がってきたのは肉厚の1.5キロの本命。
　この後、私はマトウダイを上げて五目釣り達成。さらに1.5キロのヒラメをもう1枚追加して計5枚とした後、12時ちょうどに納竿となった。
　結局、この日は船中0.8〜4.8キロのヒラメが0〜5枚。さらに多彩なゲストが加わり皆さん楽しめた様子。私は竿頭に加えてライトで人一倍楽しんで、すごく得した気分。皆さんもぜひ一度。

［第一進丸］伊藤隆徳船長