新潟寺泊を訪れるのは実に十数年ぶりのこと。確か前回も夜釣りだった記憶がある。
　この時期の寺泊の夜釣りはイカが一番人気で、今回の目的ももちろんムギ.スルメだ。昨年、一昨年と不調だったようだが、今年は5月下旬のスタートからよく釣れており、トップ1束オーバーは当たり前とか。
　よし！
　久しぶりにズラズラの多点掛けを満喫できるぞ……と思ったのだが、
　「今回は一つスッテ縛りですからほかの道具は持って来ちゃいけません」と内山記者から釘を刺される。
　今回お世話になった寺泊港はやかわ丸、早川松栄船長に巻頭特集で紹介した一つスッテの釣りをやらせてもらう許可を取っていたのだ。
　まあ仕方あるまい、ということで6月15日の午後6時20分、我われ一つスッテ組を含め12名を乗せ出船となる。
　
　ポイントまでは約30分。到着するとパラシュートアンカーが投下される。なお釣り場の水深は浅くて150メートル、深いと500 メートルとかで、この日は一番浅めの150メートルラインを流すとのこと。
　まあ水深が何メートルあっても、夜イカ釣りは集魚灯に照らされ浮いてくるイカを釣るのでタナは40メートルより上になる。
　問題はいつ、イカが浮いてくるかだが、船長に聞いてみると、
　「このところは7時半過ぎ、8時ごろからのことが多いね」とのこと。
　それは同乗したお客さん皆分かっているようで、ノンビリしながら道具を下ろしている。
　そしてこの日、船中1杯目のムギが乗ったのが7時40分ごろ。右舷ミヨシ2番の竿釣りの人で、40メートルだったとのこと。続いて左舷ミヨシの手釣りの人が2杯掛けで乗せる。