ひとまず満足した私はいったん竿を置き、カメラ片手に船内の様子を撮影しようとしたが、船長から、
　「写真は後でいいから。魚の食い気があるうちに釣り続けたほうがいいよ！」とのありがたいお言葉。
　一瞬、編集部.村上氏の困った顔が浮かんだが、船長のお墨付きだからと自分に言い聞かせて釣りを再開する。
　10時ごろになるとウネリも落ち着き、快適に釣りが楽しめるようになった。海が穏やかになるにつれて魚の活性も高まり、至福の時間は続く。ただし潮流は速く、1流し1投の状態が続いたため、一度の投入でいかに多くの魚をハリ掛かりさせるかが釣果をのばすキーポイントとなってきた。
　そこで欲張りな私は即席で枝バリを2本追加した、5本バリ仕掛けに変更。これまた的中したようで、4投連続パーフェクトでイサキがヒットし、一気に釣果をのばすことができた。
　午前11時を過ぎると潮流は徐々に緩くなりゴマサバ、メジナ、アジなどが交じり始めた。ゴマサバは丸まると太った50センチ級ばかりで、皆さんていねいに血抜きをしてクーラーに収めていた。
　残り1時間となった正午、左胴の間で竿を出していた小林氏の竿が大きく引き込まれる。皆が注目する中、慎重にヤリトリをして浮かせたのは4キロ級のマハタ。聞くと、
　「イサキを狙っているうちにアジが交じるようになったので、持参したアカタンをエサにアジを狙っていたのですが、ハモノでも食わないかと思ってそのまま泳がせてみたんですよ。そしたらコイツが食っちゃった！」とのこと。
　船中興奮冷めやらぬ中で午後1時となり、沖揚がりのアナウンス。
　当日の釣果は1人平均40尾前後であったが、私は81尾釣り上げることができて大満足の釣行となった。
　しかも釣れたイサキの大半が30センチオーバー。帰宅後に食すと脂もよく乗っていてうまかった。
　しかも船長は穏和な性格でとても親切。ビギナーにもやさしく釣り方を教えてくれるので安心だろう。
　いよいよ旬を迎えたイサキ。皆さんも釣りに出かけてみてはいかがだろう。
　なお駿河湾では6月10日からスルメイカが解禁となり、金洲の泳がせ釣りもスタートする。この夏も駿河湾の熱い釣りから目が離せない！

［公翔丸］有川公二朗船長