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釣り人(千葉)/福田豊起
掲載号: 2012年5月15日号
思わず雄叫びを!
胴長50 センチ近いパラソル級
しばらくはいい乗りが楽しめたが、二枚潮だったこともあって船中あちこちでオマツリが発生。さらにサメの邪魔などもあったため、船長はこの釣り場に見切りをつけ、船を東に向けた。
10分ほど走ったところで再び投入をうながすアナウンスが出た。水深はやや深くなって140メートル。
ここから当日のドラマが始まったのである。
着底して糸フケを取ると同時に竿先がフッフッと動き始めた。
今度は追い乗りを期待し、ツノを躍らせながらゆっくりと巻き上げてみた。するとズンズンと重みが加わり、竿の曲がりの支点も穂先から胴へと移っていった。
「ぐお〜、重い! いっぱい引っ付いた〜!!」
1人雄叫びを上げながら電動リールの巻き上げスイッチを入れる。
ウネリを交わしながら、手応え十分の状態で海面まで上がってきたのは良型ヤリイカ8杯掛け。どおりで重いはずだ。思いがけずパーフェクトを達成してしまった。
このときは船中至るところでヤリイカがズラズラ取り込まれ、先ほどまでの沈黙が嘘のよう。勘が当たって、してやったりの船長もうれしそうにしていた。
私は仕掛けを7本ヅノに交換して再投入。今度も着底と同時にズンズンと乗って7点掛けを達成。連続パーフェクトである。これぞ外房ヤリイカだ!
このあともコンスタントにイカが乗り、皆さん順調に数をのばしていた様子。
ひとしきり釣って満足した私は竿を置き、編集長とバトンタッチ。
どうやら編集長は外房でもライトタックルのヤリイカを試してみようと考えていたらしく、船長の了解を得てライトヤリイカの実験を開始。同船した皆さんも興味津々で見守っている。
このころから本船の好調を聞きつけた船が集まり、船団が形成された。そのせいか乗りも散発的になってしまい、船は小移動を繰り返すことになった。
そんな状況下でもコンスタントにイカを取り込んでいる常連の金子さんにお話をうかがってみた。
金子さんの8本ヅノ仕掛けはツノ間80センチと短めなのが特徴。底付近に集まるヤリイカをピンポイントに攻めることができそうだ。
また1杯掛かったあと、すぐに仕掛けを巻き上げず、しつこく多点掛けを狙うのも金子さんの特徴。
仕掛けにせよ釣り方にせよ、ヤリイカの魚影の濃い外房にマッチした釣り方といえるだろう。
この日の釣果は小型のメスからパラソル級まで大中小交じりで1人15〜64杯。竿頭は前述の金子さんで、他の皆さんもお土産は確保できたようだ。私の釣果は24杯。もう少し釣りたかったというのが本音だ。
今年の外房のヤリイカは、まだまだ続きそうな予感。ゴールデンウイークはもちろん5月一杯まで楽しめそうな手応えだ。皆さんもぜひ、ズンズン、ズラズラを体験してほしい。
[宏昌丸]吉清良輔船長
Page1 これぞ外房ヤリイカ!
Page2思わず雄叫びを!
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