さすがに人気のタチウオ＆アジのリレー船だ。11月3日の早朝5時半に江戸川鹿骨の豆やに到着したが、大型乗合船は満船状態。なんとか左舷胴の間に釣り座をキープした。
　操船するのは細川秀幸船長で、現在のタチウオ釣りをここまでメジャーにした草分け的存在の一人だ。だから釣り客の信頼も厚い。
　定刻の6時40分に船着き場を離れ、江戸川を下って東京湾に出た。釣り場は観音崎沖だからしばらく走るが、海は穏やかで海上散歩も気持よい。
　観音崎沖の80メートルダチに到着したのは8時過ぎだ。反応が出ているのだろう。僚船がギッシリと集まっている。でもその割にはキラッと光るタチウオが取り込まれていないのが気になった。
　台風前には安定釣果が続いていたが、「台風後がどうか分からない」と船長も言っていた。ちょっと不安になった。この魚、機嫌がよいとどうってことなく釣れてしまうが、機嫌が悪いとひと癖もふた癖もある。
　しばらくしてポツリポツリと釣れ始めたが、なるほどさすがに観音崎沖だけあって型がいい。指4本サイズが平均で、時折指5本サイズの良型も交じる。
　僕の竿にもコツッというアタリがあったが、なかなか食い込んでくれない。エサはキレイにやられてしまってイライラ……。それが何度か続いてタチウオに遊ばれ続けると、気持はドドーンと落ち込む。
　ミヨシ寄りとトモ寄りではまずまずの調子でタチウオが取り込まれているが、胴の間付近はなんともパッとしない。お隣の常連さんが「ヘタしたらオデコだね。今日はダメかも」とボヤいていたと思ったら、僕を置き去りにして「おっ、きたよ」と4本指サイズを抜き上げたから余計に焦った。
　その後しばらくしてモゾッのアタリで竿を止め、細かくゆすったらググッと竿に乗ってきたからホッ。いやはや難しい。
　ミヨシ寄りとトモでは超スローの電動シャクリで釣果をのばしていた。左舷ミヨシ2番3番に並ぶご夫婦はいつも好成績を得ている常連さんらしいが、釣り方は電動シャクリと決めているようだ。