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本誌APC(長野)/高田 光
掲載号: 2011年7月15日号
浅場ならではの釣り味だ
乗っ込み本番へ突入した今、大ダイをゲットする絶好のチャンスだ
大ダイゲットの秘訣はとにかく正確なタナ取り
プレ乗っ込みと呼ばれる3〜5月までの上越地区のマダイ釣りを自分なりに総括すると、どうも好不調を繰り返していたような気がしてならない。
私は3月から計7回釣行したが、マダイの釣果は0.7〜3.4キロが合計25枚で、7回のうち3回もオデコを喫している。
マダイ釣りのメッカとして知られる上越でこの釣果は我ながらちょっと寂しい。
そんな気分を一層するつもりで、6月6日に本格的な乗っ込みが始まった能生漁港の大進丸を訪れた。
3時半に港に集合すれば、すでに周囲は釣り人で埋め尽くされていた。私は釣友と左舷胴の間に仲よく並び、さっそく道具の準備に取りかかる。
出船は4時。沖に出ると西風が吹き、空には暗雲がどんよりと立ちこめていた。
目指すポイントは郷津沖。上越沖のやや西側に位置するマダイ釣り場である。到着までの1時間はキャビンにもぐり込んで仮眠を取る。
そして5時。
「水深は29メートル。海面下10メートルでビシを止めてアタリを待ってください。昨日はハリス5号を一発で切られていますのでドラグは緩めに設定しておいてください!」という船長のアナウンスで釣りが始まった。
私はタナを取ってキーパーに置き竿としたが、潮がとても速く、なおかつ風も吹いていたため船中あちこちでオマツリが発生する。
それにしても関東からの釣り人はマナーがすこぶるよく、オマツリしたときの対応も紳士的だった。見知らぬ者同士でも気持ちよくオマツリをほどくことができた。
そんな状況も3流し目ともなれば船長のまめな操船のかいもあってオマツリは激減。すると魚信も出始め、まずは両舷大ドモ2人に1.5キロ級が釣れ上がった。
するとそれがきっかけとなり、魚信は両舷ミヨシ4人に伝播、胴の間には20センチクラスが顔を出し始めるものの皆さんリリースしていた。
そんな折、私の竿先にも小型とおぼしきアタリが到来、ドラグを締めて電動リールの速巻きボタンを押した。
するとこの直後、巻き上げが突然ストップしてギューンと竿先が絞り込まれた。大慌てでドラグを緩めるとスプールは一気に逆転、道糸が沖に向かってズルズルと滑り出していく。
手応えには重量級のパワーこそないものの、水深が浅いせいか小型のマダイであろうとも青物のごときスピードファイターに豹変する。
この釣り味は浅場ならではのものであり、それこそ5キロオーバーともなればハリスをたぐるときにハラハラドキドキの攻防が繰り広げられる。
じっくりとファイトを堪能し、取り込んだのは3キロ弱のメスダイ。乗っ込みといえば体色が黒ずんだオスのマダイが思い浮かぶが、そんな中で上がったこのメスはうれしい1枚と言えよう。
Page1 浅場ならではの釣り味だ
Page2 昨日と今日では状況が一変
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