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本誌編集部◉斉藤貴伸
掲載号: 2011年4月15日号
かつて経験のないベタナギの解禁日
4月1日、午前0時過ぎ。西伊豆土肥港には、とび島丸から銭洲へ解禁釣行するファンが20名集合していた。11号と18号の2船に分乗して、銭洲を目指し出船したのは1時半ごろだった。11号船のベッドに潜り込みグッスリ寝ていたところ、
「ハイ、今年も一番乗り。ゆっくり支度をしてください」という鈴木忠文船長のアナウンスで目が覚めた。
キャビンから出ると、ベタナギの海に浮かぶネープルスが目に飛び込んできた。いつもの銭洲の風景だが、解禁日はことさら気分が高揚する。
それにしてもこれほどのナギに恵まれた解禁日は記憶にない。これで魚が思うように釣れれば最高なのだが。
7時までに全員で解禁の儀式というか、お参りをする。塩、米、お神酒を一人ずつ海に捧げ、二礼、二拍、一礼。安全と大漁を祈願した。
7時5分前、船長は戦闘モードに突入。次つぎと指示が送られてくる。
「エサ釣りはカンパチかシマアジ、泳がせは底から、ルアーはキャストして底からシャクって。あと2分、準備はいい? ハイやって、水深35メートル」
かくして2011シーズンの銭洲が幕を開けた。水温は16度台とやや低い。
ミヨシ側の5人のルアーマンは、東海大学釣魚部の部員とOBの方々。そのリーダー格と見えた野平君が、船中1本目のヒレナガカンパチをヒットさせる。3キロクラスのまずまずの型だった。ヒットルアーはイワシカラーのロングジグ140グラム。
2本目も野平君でグッと型がよく4キロオーバーのヒレナガ。3本目は今期から助手として乗船している飯田健斗君、16歳!!これはスマだったが、ルアーチームの連続ヒットが続く。
ここまで開始から約30分。解禁日としては過去にもあったパターンで、この辺りからエサ釣りチームにもカンパチがヒットすることが多い。
ところが、本命視されていたアジの泳がせにも、身エサやオキアミエサの五目釣りにもヒットがない。
8時前、シマアジを狙っていた仲乗りの國島満君に3.2キロのヒレナガがヒット。なんとこれはオキアミエサに食ってきた。こうなると、エサ釣りでカンパチを狙うには方針が立てにくい。1キロ前後の小型ならば、こうした食いをよく見せるが、3キロクラスがシマアジ仕掛けにヒットするとなると、さてどうするか。アジの泳がせから五目仕掛けに変更する人が増えてきた。
Page1 かつて経験のないベタナギの解禁日
Page2 最も実績のあった釣法がノーヒットに終わる
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