Check
本誌発行人◎根岸伸之
掲載号: 2010年2月1日号
1時間おきに大ダイ
信頼のタックルで臨もう
7キロに比べると本当に小さく感じる4.1キロ
「もう帰ろうよ」
「嫌だ、午後も乗る。写真も撮れてないでしょう」と三石さん。確かに。でもこの状況が変わるとは思えない。半分嫌いやの乗船だった。
午後は居残り7人に1人を加えて、12時半に出船となる。船長は真沖に船を進め、60メートルダチでパラアンカーを入れる。
ところが、である。あれだけ動かなかった潮が、なんとトロトロと流れていて、水深もあって8号テンヤではすぐに流されてしまう。
私は12号、他の方も10〜12号で始めたようだ。仕掛けを下ろしてみると、アラ不思議。あれだけうるさかったウマヅラがほとんどいない。
と同時に、これは釣れると予感したのは私だけではないだろう。先陣は三石さんの友人で、一つテンヤ初めてという岩上栄司さんだった。
まず13時ジャストに3キロ級。これが彼にとっていいトレーニングだったようだ。
1時間後、この日唯一のビシマ釣りの常連さんになんと6キロ級の大型が上がる。
クライマックスは3時ごろ、岩上さんにきたアタリだった。この2発目もテンヤが底に着く前にきたという。落とし込みでの一発だ。
合わせをくれた直後からジーッとドラグが鳴り続ける。私の4キロ級よりそのフレーズははるかに長い。
巻いては出され、巻いては出されを繰り返し、海面まで20メートルの所まできた。
「おかしいな、マダイだったら弱ってくるんだけど」と船長。ひょっとするとワラサかヒラマサか……。
リーダーが見えてきたと思ったら、その先にボコッと魚体が浮かぶ。
「デケーッ!」と観戦者の声。青物ではなく、まさしくマダイ。久しぶりに見る大型だ。
船長の差し出す玉網にズッポリと入ってひと安心。岩上さんの顔が多少赤らんでいたのは気のせいだったろうか。
後検量7.4キロは2週間前に船長が釣った7.5キロの船宿記録にあと一歩迫る大型、というよりモンスターである。
これまで1、2、3時とすべて1時間置きに大型がきている。モンスターの1時間後の4時、次に大きなアタリをとらえたのは私だった。
またしてもドラグが鳴っているが、7キロのヤリトリを見てしまったらかわいいもの。皆にも無視されながら上げたのは2.5キロだった。
それからまた1時間後の納竿間際、居残り組の方が4キロ級の大型を上げて、この日の釣りは終了した。数では三石さんの5枚がトップだが小型ばかり、本人はとても納得していないようだった。
これまで勝浦沖では一つテンヤ釣りそのものの歴史が新しい。事実、冬季にマダイを狙うことはほとんどなかっただけに、まだまだ未知の魅力にあふれている。ファンにとって、マダイの動向には片時も目が離せないはずだ。
[宏昌丸]吉清良輔船長
Page1 あっさりと自己記録
Page21時間おきに大ダイ
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。