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本誌APC(東京)◎鈴木良和
掲載号: 2010年1月15日号
強い引きの正体は?
これが3.6キロのマダイ。私がバラしたのもマダイだろう。くやしい!
すかさずリールを巻く手を止めて食い込みをうながし、コツコツの次にグッと魚信が伝わってきたところで竿を立てると、グッと重量感が加わった。
見事にフッキングに成功。あとはガンガン巻き取るだけ。途中でタチウオが浮き上がってきたのかフッと軽くなったが、ここで手を休めると、ハリスや道糸を切られる恐れがあるので構わすに巻き続けると、キラキラと銀色の魚体が浮き上がってきた。抜き上げたのは90センチのタチウオ。
次の流しでは底から5メートル巻き上げたところでガガーンと強烈な引き込みに襲われた。反射的に竿を立てると再び突っ込みがあり、竿をのされてしまった。
「いかん、ハリスが切れる!」と思い手でリールから道糸を引っ張り出そうとしたのだが、ドラグをギッチリ絞めていた。アタフタしているうちにプッと負荷は消えてしまった。
痛恨のバラシである。仕掛けを回収するとハリがすっかり伸ばされていた。
おかしい。これはタチウオなのか?
果たしてその魚の正体とは……そう思っていると私の反対側にいた和田さんの竿が大きくしなった。
こちらも引きの強さは尋常ではない。巻いては出され、出されては巻くといった攻防を繰り返している。
そのとき私にもアタリがあってリーリングに入ったのだが、途中で和田さんとオマツリしたらしく、
「こちらで上げますので糸を送ってください」と告げて、道糸をたぐる、和田さんのテンビンに私のタチウオが絡み付いていた。
しかし残念なことに抜き上げの際にポロリ。そのまま和田さんの仕掛けも上げてくると、後検量3.6キロのマダイがポカッと海面を割った。私のハリを伸ばした犯人もコイツだろうか?
外道と呼ぶには立派すぎるゲストに和田さんも大よろこびである。
Page1 「ズル巻き」が有効な攻略法!?
Page2強い引きの正体は?
Page3 終盤に時合が訪れた!
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