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本誌編集部◎内山高典
掲載号: 2010年1月1日号
船長の言葉に納得
竿頭になった方は全長3.5メートルのマダイ竿で底をタイトに狙っていた
日の出前の空が薄紅に染まるころ、ヒラメの食いが一段落する。開始からおよそ40分、この間に船中のいたる所で釣れたヒラメは2〜3キロ級ばかり。1キロ未満のソゲは見あたらない。
「朝イチに期待してください」
出船前の船長の言葉が頭の中でリフレインする。私の想像を超えたヒラメの入れ食い、大洗沖の解禁日はこうして幕を上げた。
その後は、怒濤(どとう)のヒラメフィーバーに沸いた朝のような盛り上がりはないものの、小移動を繰り返しつつ実績の高いポイントを次つぎに狙う展開でポツポツとヒラメが取り込まれていく。
11時を過ぎた時点で8枚を釣り上げ、断トツで数をのばす左大ドモの三郷市から来たという田中健治さんに話を聞くと、捨て糸30センチ、ハリス70センチの仕掛けで底トントンをキープしているとのこと。
忠米丸ではイワシの群れが入ってくる前の時期は魚礁周りを狙うことが多いそうで、捨て糸の短い仕掛けを用意したようだ。
竿はウネリを考慮し仕掛けを安定させるために選んだ全長3.5メートル、オモリ30号対応のマダイ用。長く軟らかい竿を朝から持ち続け、仕掛けが底をトレースするように操作し続けるその集中力に恐れ入る。
5枚前後を足元のタルに泳がせた2番手は数人おり、皆さんに話を聞くと捨て糸の長さは50〜100センチとまちまちだったが、タナ(エサの位置)は底上1メートルで共通していた。
「底を狙うと小さいのが食ってくるでしょ。タナは1メートルは上げたほうが合わせのタイミングも取りやすいですし、大きいのが釣れますよ」と言う、根本船長のアドバイスは、お客さんたちにも浸透しているようだ。
そこで、田中さんが底を狙っていることを船長に告げると、
「田中さんは特別です。うちが遊漁船を始めた年から20年来の常連さんですから、状況に合わせた釣り方をしているんだと思います」とのことだった。
12時に沖揚がりを迎え、釣果は1〜3.2キロのヒラメが1〜9枚。2〜3キロ級主体で船中42枚は上出来だろう。
「常磐エリアは北へ行くほど大型のヒラメが釣れる傾向はありますが、大洗沖は数、型ともにそろう中間地点です」
根本船長のこの言葉に納得した一日であった。
[忠米丸]根本茂船長
Page1 大洗沖のヒラメはでっかいぞ!
Page2船長の言葉に納得
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