そして8時半。
　「これからマダイに行きます。仕掛けを交換してください」とアナウンス。到着したのは城ケ島の東沖。水深が45メートルで、指示ダナは25メートル。
　船長いわく、
　「タイは魚偏に周ると書くとおり、根の周りを生活域にしている。でも食い気のあるタイはその根から浮いてくるもの」
　これを長ハリスをふかせて釣ろうというのが角田流とか。
　ちなみにこのエリア、先日は7〜9キロのマダイも顔を出しただけに決して気は抜けない。
　ところで大型を狙う上で忘れてはいけないことがドラグの調整。せっかく大物を掛けても、ドラグ調整を忘れて涙を飲む人は実際のところ多いという。
　「コマセを振り終えたら必ずドラグ調整をするクセをつけてください。おすすめなのは、わざと指示ダナよりも1メートル高く巻き、スプールから道糸を手で引き出しながらドラグを調整しつつ1メートル戻すことです。この動作が誘いにもなるので、ぜひお試しください」とのこと。
　大ダイの期待は高かったが、顔を出すのはソウダやメジナばかり。そんなとき、右胴の間で竿が突っ込んだ。竿の曲がりからして大ダイを期待させたのだが、浮いてきたのはなんとワラサ。残念ながらこの日は底潮が濁っていたのか、ついにマダイの型は見ることはかなわず。
　結局トップはワラサ2本。私は型見ず。まさかの不振に見舞われたが、ワラサの新たな群れも入ってくるだろうし、マダイのシーズンはこれから。今後の期待は十分といえよう。

［角田丸］角田雅弘船長