TJ-web  
電子版
から探す
キーワード(釣り物、釣り方etc.)

 

 

 

[カモシマダイ]
外房勝浦松部港出船…三本松 盛幸丸

出るぞ! 大ダイ&ヒラマサ 外房カモシ釣りが今熱い !!

Check

本誌APC/鈴木良和
掲載号: 2010年7月1日号

外道すら食わない

 


日によっては一つテンヤを上回る釣れっぷりを見せる。これがカモシ釣りの底力!
誘いの入れ方はターゲットや状況に合わせて強弱を付けましょう


 5月下旬ごろから外房勝浦名物.カモシ釣りがスタートを切った。
 カモシと聞くとヒラマサを連想させるが、春から夏にかけてはマダイ、秋口から年内はヒラマサが主体となる。
 しかし、これはあくまでも目安。突然青物が食う場合もあるので、仕掛けは両方を用意しておいたほうがいい。そのほうが夢が膨らむし、それが正夢になることも大いにあるのだ。
 
 今回、勝浦松部港の盛幸丸へ足を運んだのは5月30日のこと。開幕して間もないが、これまでの釣果は4キロを頭にオデコなしで3〜4枚と絶好調。
 とくれば、気分は上々。なのに当日は朝から豪雨。乗り込んだ7名の釣り人は、降りしきる雨の洗礼を浴びながら出船となった。
 到着したのは三本松。すでに数隻の船が潮回りをしており、開始の合図が出るのを今かと待ち構えている。
 はやる気持ちを抑えつつ、準備に取りかかる。サンマのブツ切りの中骨をハサミで切り取り、皮の部分が内側にくるようにひっくり返してハリに付ける。
 サンマのミンチは海水を入れてペースト状に解かしたら専用のポンプでカモシ袋に入れる。準備は万端だ。「タナは30ヒロ。45メートルです」と本庄信行船長が開始を告げた。
 指定されたハリスの長さは7ヒロ(10.5メートル)なので指示ダナより10メートル深い55メートルまで仕掛けを落とし、潮に馴染むまで少し待ってからハリスの約半分である5メートルまで巻き上げる。竿を頭上まで大きくあおり、サッと竿を海面まで戻したら糸フケを素早く巻き取り、一呼吸置いて再び大きく竿をあおる。
 こうして指示ダナまで仕掛けを「カモシ上げていく」が、タナ取り直後にアタリが出やすいのでドラグの調整は万全にしておくことが大切だ。
 カモシ釣りで使うカモシテンビンは遊動式。つまり、魚にオモリの負荷を感じさせない代わりに、テンビンはクッションとしての役割を果たさない。そのためクッションゴム、竿、ドラグで魚の引きをいなす必要がある。
 カモシ釣りの道糸に、伸びがありクッション的な役目を果たすナイロン糸が使われているのはそのためだ。
 開始早々、反対側にいた常連の原田さんが1キロ級のマダイを釣り上げた。
 これで「今日はいけるぞ」とだれもが思ったのだが、期待とは裏腹にその後は外道すら食ってこない。
 定番外道といえば、メバルやらウマヅラ。これらばかりが食うときは潮が動かず今イチとされ、逆に期待の目安とされているのがイサキ。だが、今のところ後の釣況を占うヒントすらない……。


 

 


 

 

Page1 外道すら食わない
Page2 置き竿に隠された工夫



※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。