御前崎沖に乗っ込みの気配！
　そんな情報に心を躍らせつつ相良坂井港を訪れたのは2月25日。前日の予報がよかったことも手伝い、5時20分の集合時間までに私を含む8名が乗船した。ゆっくりと時間をかけて準備をしたあと、森田和利船長の舵取りで港を離れる。
　最初の釣り場はこのところ良型が上がっているというカド根の水深50メートル前後。
　協定時間の7時ちょうど（4月からは6時）に投入を促すアナウンス。タナは海面下30メートルと指示された。
　第1投からアタることを期待していたが、船中だれの竿にもアタリはない。本船ばかりか周囲のマダイ船も似たり寄ったりの状況だ。
　さらに待つこと1時間、ようやく左トモの釣り人が1キロ級を釣り上げ、右ミヨシの釣り人も1キロ強をゲット。
　以降は散発的に1キロ足らずが顔を出したのみでアタリは続かず、10時過ぎに笠松へ移動となる。
　
　船長によれば、カド根が良型が狙える釣り場だとすれば、笠松は手ごろなサイズが中心ながら手堅く狙える釣り場とか。
　まもなく海面から40メートルという指示で投入の合図。たしかに釣れるマダイは小ぶりだったが、アタリは活発、船中ほとんどの釣り人がマダイの顔を拝むことができた。
　そろそろ私も1枚釣りたいと思ったが、しばらくコマセダイ釣りから遠ざかっていたこともあり、長ハリスの扱いに手を焼いた。
　とくに気になったのが、船床に取り込んだハリスにきつくヨレがかかっていたこと。新品のハリスに交換しても何度か入れ直しをするとチリチリになってしまう。
　おかしい……何かがおかしい。ビーズもガン玉もない、ごく普通の4号15メートルハリスだというのに！
　修復不能になったハリスの山を前に一人頭を悩ませる。