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本誌編集部◎内山 高典
掲載号: 2010年4月1日号
「釣れないよ」の無線が飛び交う中で
午後船の最大は2.3キロ。午前船では3.1キロも上がった
釣り場は川津~岩船沖。水深は60メートル前後
昨夏から一つテンヤの乗合船がスタートした外房勝浦では、未開拓のポイントが多いこともあってか大ダイの出現率が高く、冬の間も5キロ超がコンスタントに上がっていた。
その勝浦の一つテンヤ船が、初めて迎える春。「出れば大ダイ!」の期待が最も高いエリアと言っても過言ではないだろう。
勝浦川津港の良幸丸を訪れたのは2月25日のこと。私を含め4名を乗せて6時前に出船。
高寺由雄船長は船をゆっくり進め、航程40分ほどで岩船沖の60メートルダチに到着。
この日は霧が出て視界が悪かったため、パラシュートアンカーを入れずに流すとのこと。
私の釣り座は左トモ。ほぼ無風でベタナギ、潮は0.5ノット、6号のテンヤで糸が立つ。
開始早々、右トモのお客さんが400グラムほどのマダイを抜き上げる。
これに続いて右ミヨシでも500グラムが上がると、しばらくして同じ人の竿に大ダイらしきが掛かったようで、激しい突っ込みを何度も見せる。やがて上がってきたのは後検量3.1キロのマダイ。上々の出足に船長も顔がほころぶ。「釣れましたか〜」
時折耳に入る無線のやり取りの様子では、ほかの船は苦戦しているようだ。「また食ったよ!」船長の声に右ミヨシへ駆けつけると、先ほど3キロ級を釣ったお客さんが竿を曲げている。「今度はそんなに大きくないよ」と余裕のヤリトリで魚を寄せるが、残り10メートルほどからがどうにも巻き上がらない。「だれかマツってない?」
あわてて自席に戻ると、仕掛けを入れたまま船ベリに立てた私の竿がグイグイ曲がっている。「こっちで取るから糸出して」
船長の指示どおりリールのベイルを返してフリーにする。すると……、「内山さんのにも食ってるよ!」
船長の声に慌てて糸フケを巻き取った瞬間、ビュビューッとすごい勢いで魚が疾走して、プツッ……。アァ〜、またやってしまった。
このバラシが災いしたのか、その後はアタリが遠のき、ホウボウやカサゴが釣れただけで沖揚がりを迎えた。
Page1 「釣れないよ」の無線が飛び交う中で
Page2 マダイが浮いている?
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