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[アマダイ]
相模湾腰越港出船〜鎌倉沖 池田丸

今年も続くよ、釣りの七不思議&小づき釣法 !?

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本誌編集部◉尾川 泰将
掲載号: 2011年2月1日号

夫婦と親子の不思議な明暗

 


女房のほうが釣れるのはなぜだ?
まずは恒例行事の御神酒を注ぐ
一日中、コンスタントに釣り上げた嘉章氏


 編集人生で最もハードな闘いだった図鑑作りを終えて、ようやく釣り船取材の現場に復帰。その一発目が1月2日の初釣りとなった。釣果など関係なく船上に揺られてリハビリしたいところだが、釣り人の一年の計もかかった初釣り。なんとしてでもオデコは避けたい。
 向かったのは相模湾腰越港、池田丸のアマダイ五目乗合。使用オモリが50号と軽めなので、ライト系の道具立てで楽しめるのが特長だ。
 ちなみに大晦日の晩にチマチマと作ったのは、左ページの仕掛け図にある2叉式ショート仕掛け。ここ数年本誌に記してきた、誘って食わせる「小づき釣り」で新年&取材復帰1尾目を飾りたい。
 新年会を兼ねてお誘いしたのは図鑑の著者.石川皓章(ひろあき)氏。さらにご長男の嘉章氏も飛び入り参加して左舷ミヨシに並ぶ。池田丸店主の池田威知朗船長が舵を取り、10名を乗せて7時に岸払いとなった。
 向かうは良型が多いアマダイ場として知られる、地元.鎌倉沖の水深60〜80メートル付近。冷気に固まった両手をこすりながら西を見やると、江ノ島と富士山が肩を並べた湘南の絵葉書そのままの絶景だ。
 今年もよろしく相模湾!
 と持ち込んだカップ酒を海へと注ぎ、ハリにオキアミをていねいに刺して第1投。
 全長2メートルほどのスタンダードな2本バリ仕掛けを使っている人は、50〜100センチ底を切って、ゆっくり竿先を上下して誘っている。
 一方こちらは小づき釣り、トン、トン、トンと海底を10回小づいて、しばし止め……を繰り返す。アマダイ、そして外道を含めた魚たちの活性が高ければ、小づきの最中、つまり仕掛けが跳ね回っているときに食い付いてくるケースが多い。
 そして35センチ級を浮上させたのは右舷胴の間、普通の仕掛けで基本どおりに誘っていた渡会安美さん。手取り足取りサポートしている同行のご主人もうれしそうだ。
 続いて同サイズが浮上したのは背中合わせの左舷胴の間、急きょ誘われた嘉章氏。父の石川氏も、来てよかったろう?
 という満足げな笑顔だ。
 がしかし隣合わせの釣りは楽しくも、時に残酷。その後も釣れるのは安美さん、そして嘉章氏ばかりなのである。エスコート役の2人は置いてけぼりだ。「え……また釣れたのか?」というかけ声も次第に小さくなっていく。ツライ。
 11時前後、ようやく潮が動き始めたところで、周りにも1尾、2尾と上がりだした。さっぱりアタリがなかった私にも32、37センチが立て続けに食い付いてオデコ脱出。
 そして嘉章氏の左隣に座る吉江氏に船中最大47センチのビッグアマダイが登場、直後に安美さんも本日4尾目の43センチの大型を手にして最高潮に達した。この1時間は完全に時合だったようだが問題の2人はナシのつぶて。「息子を連れてこなきゃよかったよ〜」と石川氏も苦笑いしていたが、そこは本誌ライターの最長老、納竿ギリギリの14時前に35センチ級を2尾引き寄せた。一番ホッとしたのは、たぶん私と船長であろう(笑)。
 安美さんのご主人を含みオデコが3人出てしまったが、ほか7名は2〜7尾という、アマダイ釣りとしては平均的な結果。
 また今シーズン、相模湾のアマダイはミニサイズが少ないと聞いていたとおり、35センチ前後を軸に40センチオーバーも顔を出す展開に目を丸くした。


 

 


 

 

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