撮影している間、せっかくなので正尚船長に私の道具で釣ってもらった。
　すると鮮やかな手つきで次つぎにイサキやアジを釣り上げていく。釣り方についても気さくに教えてくれる。
　と、気がつけば時刻は6時半。8時にはアカイカへ転進するので、イサキ釣りも後半戦、ここで竿を持つ。
　「15メートル、ベッチョリだよ、ベッチョリ！」
　松男船長から威勢のいいアナウンス。これはイサキの反応が非常に濃いということ。
　するとどうだ、仕掛けを入れたとたんにググン、追い食いを待っているとググググッ、さらにゆっくり持ち上げるとグググググ〜ッ！
　と竿が絞り込まれて良型の3尾掛け。
　「ベッチョリだよベッチョリ！」
　まだ投入できると続ければ、次も、また次も3尾掛け。いやはや、これは本当に面白い！
　どうやらこのときがクライマックスだったようで、船長のベッチョリコール→良型イサキが宙を舞う、がしばらくの間繰り返されたのだった。
　7時半過ぎにトップの人が20数尾を数え、ちょうどバケツ1杯分のコマセを使い切った。続いて1人、また1人とコマセを使い切り、イサキ仕掛けをしまい、アカイカ用の仕掛けを用意し始める。
　私のコマセはまだ残っていたから後ろ髪を引かれる思いだったが、8時、イサキを終了してアカイカへ転進したのであった。
　今後はアカイカの模様次第だが、アカイカとのリレーの場合はイサキ釣りは朝方3時間ほど。それでも、この好模様なら十分に釣れるはず。
　港に戻ると、午後船のマダイのお客さんが10名ほど港で待っていた。イサキはもちろん、アカイカ人気に沸き、マダイも順調に釣れている。大原の海は恵まれているなあと、しみじみ思うのであった。

［つる丸］岩瀬松男船長（左） 正尚船長（右）