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[ヤリイカ]
外房大原港発…御宿〜大原沖 第一松栄丸

落とし込みでズンッ! 外房ヤリイカ濃厚発進

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本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2010年5月1日号

まさかの船酔い

 


ついにやってきた外房ヤリイカの最盛期。イカなきゃ損!


 冬の寒さから解放されて、陽気もよくなれば、気分もソワソワ、釣りに出かけたくなる季節の到来だ。
 好調な釣り物が多いだけに目移りしてしまうが、今回のターゲットは食べておいしく、人にあげても喜ばれるヤリイカに決定だ。
 3月27日、シーズンインした大原のヤリイカを求めて出かけたのは第一松栄丸。
 今期の大原でヤリイカが本格的に乗り始めたのは3月の中旬から。松栄丸も今日が初の出船だが、前日に出船した他船では平均30〜40杯と期待できそうである。
 6名を乗せて4時半に出船。向かった釣り場は御宿沖。1時間10分ほどでエンジンがスローダウンし、キャビンから出てみると、北風が強く予想以上に波があった。
 潮回りを済ませると、船長の合図で仕掛けが投入され、150メートルの海底を目指して消えてゆく。
 開始直後に右ミヨシの戸来さんがヤリイカを2杯掛けするも、ほかの皆さんは波によるバラシの連続で釣果が上がらない。
 直結仕掛けで始めた中井裕介さん、町田さんの2人は、たまらずブランコ仕掛けにチェンジ。そのかいあってか中井さんがメスのヤリイカを2杯上げると、イカ釣り初挑戦の町田さんもスルメとヤリを取り込む。
 トモ側では高橋さんと戸田さんはすでに胴長40センチのパラソルを含めて7〜8杯上げていた。
 「すごい揺れですね」と戸田さんに話しかけると、
 「あはは……」
 イカ釣りのベテランさんだけあって余裕の笑み。涼しい顔でイカを乗せまくっている。
 このエリアでのヤリイカ釣りは船を大流しにするスタイル。時には1時間以上流す場合もある。
 私も2流し目が終わって潮回りをしたところから釣りに加わろうと席に戻ったのだが、ここで体に異変が。やけに生つばが出ると思ったらめまいもするではないか。この感覚は、もしかして10数年ぶりに味わう船酔い?
 年度末で仕事が忙しく、一睡もしないで乗船したのと体調が思わしくなかったのが原因だろう。しかし、ここでへこたれるわけにはいかない。
 ここはきばって「それっ」と仕掛けを投げ入れる。カウンターが130メートルを示したころからリールのスプールに親指を押し当てて落下に変化を付けていく。
 着底を確認し、糸フケを取りながらグッと力強くシャクリ上げると、すでにイカが乗っていたのだろう、ズンッと重量感が伝わってきた。
 してやったり。船の揺れに合わせて竿を上下させながら慎重に巻き上げると、上から2番目のツノにスルメイカが、下から2番目のツノにヤリイカが乗っていた。


 

 


 

 

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